アイトラッキングで速読の達人の目の動きを可視化してみた!
公開日:2018.11.08
最終更新日:2024.09.04
この記事は2477文字です。
約2分で読めたら読書速度1200文字/分。
皆さん、アイトラッキングってご存知ですか?
筆者もつい最近まで知らなかった言葉なのですが、簡単にいうと「視線計測」です。
今回はアイトラッキングで「速読の達人」の目の動きを可視化して、達人に近づくヒントを得ようという企画です。
言葉で「全体をぼんやり広く見る」と言われても、どれくらい目を動かしていいものなのか、そして速読ができている人は本当にそういう目の動きをしているのかというのは、これまであまりわかっていませんでした。
それがこのアイトラッキングを使えば、一目瞭然!達人の目の動きを丸裸にできてしまうわけです。
アイトラッキングとは?
アイトラッキングとは、人の目の動きを計測して、いろんなことに活用しましょうという技術です。
画面を見ている人の視線を計測してマーケティングに活用したり、手を動かすことに不自由のある方が目線で様々なことを行うことができたり、多岐にわたる分野で利用されています。
速読の達人が文章を読むときの視線を計測
ではまずは普通に文章を読むときに、目がどのように動いているかを見てみましょう。
下の動画は、読書速度2,000文字/分を目安としたときの目の動きです。
ちなみに読書速度2,000文字/分というのは、一般的にはかなり速いですが、今回は達人の視線計測なので、最低が2,000文字というわけですね。
アイトラッキング、すごい技術だね!
分速2,000文字で文章を読もうと思うと、これくらいの目の動きになるわけですね。
文章をしっかり目で追っている感じはしますが、実際にこれくらいの速度で目を動かしてみると、なかなかしっかり読むのは難しいというのがわかります。
それでは、次に分速6,000文字 「速読の達人中の達人」の目の動きを見てみましょう。
目はほぼ画面中央を縦に動いているだけのようです。
認識できる幅が広くないと、文章の端を捉えるのは難しいです。こいったトレーニングも速読解力講座で行います。
視野で認識できているのか検証
アイトラッキングで表示されている視線の○に入っていない箇所が読めているのか、別の方法で実験してみたいと思います。
速読トレーニングソフト「速読解力講座」に搭載されている脳力トレーニングの「おぼえて」というものが活用できそうです。
「おぼえて」は野菜や動物のイラストが人の顔を模した形で、配置されている画面を一定秒見て、その後で問題に答えるというトレーニングです。
短期記憶力を鍛えるトレーニングなのですが、数秒で全体を覚えるために、画面中央を見ながら顔の部位を視野で捉えて覚えるという方法が推奨されています。
では、速読の達人が視野でしっかりと認識できているのか、下の動画を見てみましょう。
このトレーニング、楽しそうだな......
確かに目線は常に眉間付近にあるにも関わらず、その視線の外の構成物をしっかり覚えていることがわかります。
つまり、周辺視野で文字や絵を認識できているということになります。
脳力トレーニングでも検証
しかしアイトラッキング、なかなか面白い技術ですね。
他にも脳力トレーニングで速読の達人の目の動きを見てみましょう。
次の動画は「ひろがり」というトレーニングです。
「ひろがり」はその名のとおり、広い範囲の認識力を鍛えるトレーニングです。
このトレーニングは、ちょっと難しそう......
やはりこの動画を見ても、速読の達人が視線を固定したままで、周辺の記号を正確に捉えられているということがわかります。
似たような記号も複数用意されているので、文字認識もしっかりできているということになります。
まとめ
速読に目の動きはとても重要
アイトラッキングを使用して速読をしているときの目の動きを計測するというのは、とても面白い試みでした。
そして速読の達人は、文章をゆっくり黙読するときとは全く違う目の動きをしているということがわかりました。
読書速度6,000文字/分クラスの速読力を身につけたいと思った場合、この動画の達人と同じような目の動きをしないと、なかなか難しいということがわかります。
これはトレーニングをせずして習得するのはなかなか難しいのではないでしょうか。速読を習得したいと思われた皆さんは、是非日ごろから速読トレーニングに取り組んで、見るチカラを鍛えてみてはいかがでしょうか。
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