最も有名な日本古典『源氏物語』世界でも翻訳されている人気の理由は??
公開日:2023.01.19
最終更新日:2024.11.13
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教科書に出てくる日本古典の中で、最も知られているのは「源氏物語」ではないでしょうか。
世界中で翻訳され、原文以外にも様々な現代語訳で出版されています。
世界最古の長編小説ともいわれるそのあらすじや、作者の紫式部についてもご紹介します。
目次
源氏物語は世界最古の長編恋愛小説
源氏物語は平安時代中期の11世紀初めころに、貴族出身の紫式部によって書かれました。
54巻からなる世界最古の長編恋愛小説といわれています。
当時の貴族の社会生活が主人公の光源氏を通じてリアルに描かれていて、文献として初出したのち、平安時代末期には「源氏物語絵巻」として絵画化されています。
源氏物語の作者の紫式部ってどんな人?
本名ははっきりとわかっていませんが、幼少期から漢文を読みこなし、歌人としても優れた才女であったといわれています。
父親は藤原為時で、下級貴族でしたが当時の天皇に漢学を教えた漢詩人、歌人でした。
源氏物語は、紫式部が藤原宣孝と結婚し、その後数年で宣孝が亡くなったのちに書き始めたといわれています。
宣孝の逝去後、源氏物語の評判が藤原道長に伝わり、道長の娘に仕えている間に完成しました。
源氏物語のあらすじ
全54巻からなる源氏物語ですが、大きく三部に分けて読むことができると考えられています。
源氏物語が古典教材の定番になった理由
古典といえば当たり前に出てくるほど定番となった源氏物語ですが、現代まで知られる定番作品となったのはなぜなのでしょうか。
1000年以上も前に書かれたこの作品が、現代に至るまで読み継がれている理由を探ってみましょう。
源氏物語の3つの魅力
源氏物語の魅力1:時代や文化を超えた、人間の普遍心理が描かれている
光源氏をはじめとした登場人物が成長とともに変化していく様子は、時代や文化を超える「人間の本質」が描かれていると言えます。
そのことが多くの読者の共感を呼び、源氏物語の大きな魅力となりました。
源氏物語の魅力2:時代背景を知ることで、日本の歴史や文化を知ることができる
源氏物語を正しく理解するには、現代とは違う平安時代の生活習慣や、政治、思想などを把握する必要があります。
源氏物語を読むことで、日本の歴史や文化を知ることにつながります。
源氏物語の魅力3:原文以外にもダイジェスト版やパロディ本が発行され、それぞれの時代を映し出している
源氏物語は、原文以外にも多くのダイジェスト版やパロディ本が発行され読み継がれてきました。
それぞれが発行された時代の日本の様相を映し出していることも、源氏物語の魅力となっています。
世界中で翻訳されている源氏物語
源氏物語は日本のみならず、多様な言語に翻訳され世界中で読まれています。
日本の古典作品にも関わらず海外でも人気があることが窺えます。
源氏物語はいくつの言語で翻訳されている?
現在、源氏物語は世界各国の30以上の言語に翻訳されています。
英語、イタリア語、中国語、ドイツ語、フランス語などのほか、アラビア語やタミール語、タイ語などにも翻訳されています。
参考:国文学研究資料館
世界でも人気のある理由
30以上もの言語に翻訳されている源氏物語ですが、これほどまでに人気がある理由はやはり時代や文化を超えた人間の普遍心理や、日本の歴史についての描写がされている点と考えられます。
世界中の人をも魅了する源氏物語を書き上げた、紫式部自身の教養の高さが改めて窺えますね。
おすすめの源氏物語関連作品
源氏物語は読み物としてはもちろん、漫画や大河ドラマなどの作品にもなっています。
原文のままで読むのは少々難しいかもしれませんが、関連作品も物語の内容を知るきっかけの1つです。
小学生向け
源氏物語
訳:高木卓
源氏物語を1冊にまとめた小・中学生向けの読みやすい一冊。
中高生向け
源氏物語
訳:瀬戸内寂聴
瀬戸内寂聴の美しい現代語で訳された「瀬戸内源氏」。全3巻。
その他ミュージカル、ドラマなど
愚伝 矛盾源氏物語(2023年ミュージカル)
刀剣育成シュミレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とした舞台作品。
2016年に初演が発表され、絶大な人気を獲得した人気舞台シリーズ。
2023年2月より上演予定。
光る君へ(2024年ドラマ)
源氏物語の作者である紫式部を主人公としたドラマ作品。
源氏物語執筆のきっかけともいわれる、紫式部自身の生涯が描かれる。
2024年1月放送予定。
まとめ
源氏物語の最大の魅力は、時代や文化を超える人間の普遍心理や日本の歴史の描写
- 源氏物語は世界最古の長編恋愛小説
- 作者である紫式部は優れた教養があり、その人間心理や歴史の描写が高く評価されている
- 源氏物語は日本のみならず、現代まで様々な形で世界中で読み継がれている
源氏物語がこれほどまで人気となった理由は、やはり紫式部の優れた教養による作品中の描写が世界中の人の心をつかんだことによるものだと考えられます。
原文はもちろん、様々な関連作品を見ることで、さらなる魅力を発見できることでしょう。
本記事は、作成時点で信ずるに足ると判断した情報に基づき作成しています。ただし、その正確性に対する責任は負いません。
また、記載された内容は、日本速読解力協会と関連性があるとは限りません。
第一部:光源氏の全盛期
幼くして母を亡くした光源氏は多くの女性たちと恋をしますが、やがて都を追われることになります。
その後京に戻り勢力を盛り返したのちに、名実ともに栄華を極める様子が描かれています。
第二部:華やかな人生の陰と出家の決意
栄華を極めた光源氏ですが、その生活は少しずつ破綻していき、正妻格だった最愛の紫の上を亡くします。
その後出家を志すまでの姿が描かれています。
第三部:光源氏の子孫たちの人生模様
光源氏の死期については、諸説ありますが本文には現存していません。
しかし第三部では、光源氏の亡き後、その子孫たちの人生模様が、それぞれの恋愛や人間関係の苦悩などを通じて描かれています。