なぜ、誰でも速読ができるようになるの?理由は脳の2つの特性だった!
公開日:2022.04.12
最終更新日:2024.08.20
この記事は2764文字です。
約2分で読めたら読書速度1200文字/分。
“速読”と聞くと、「難しそう」「自分にはできない」「一部の人だけができる、特別な能力」だと思っていませんか?実は、速読力はトレーニングをすることで誰でも伸ばすことができる能力です!
なぜ誰でも速読力を伸ばすことができるのでしょうか?
今回は、脳の2つの特性「可塑性」「汎化作用」を活用した、速読トレーニングを紹介します。
速読とは?
速読法には様々な種類がありますが、日本速読解力協会の速読では「視読」の読み方をトレーニングします。読書速度は学習や受験に役立つ1.5倍〜3倍を目標にしています。
脳は私たちの想像を超える素晴らしい可能性を秘めています。日本速読解力協会の速読トレーニングでは、脳に備わっている「可塑性」「汎化作用」という2つの特性を活用し、速読の力を伸ばします。
また、文章の意味を正しく理解できているか、短文問題や検定で実力を確認します。
脳の特性1.可塑性とは?
可塑性とは、脳が光・音・感触などの外部からの刺激に柔軟に対応する特性(慣れ)のことです。人の脳や能力、物質や性質など、さまざまなものに対して用いられる言葉です。
脳の特性2.汎化作用とは?
汎化作用とは、ひとつの能力が活性化すると他の能力も連鎖的に活性化していくことです。
脳の中には非常に複雑なネットワークが存在しており、様々な能力が互いに連携を取りながら、知覚や判断、行動を行っています。人間の脳細胞の数(約140億個)は決まっており、脳の活性とは脳内細胞のネットワークを円滑に機能させることを意味します。脳内のネットワークは繁密かつ複雑に絡み合っていることから、ひとつの能力が活性化するとそれに連なる他の能力も連鎖的に活性化します。この働きを汎化作用と呼びます。
汎化作用の例
①読まずに「見る」
最初は、文字を読むのではなく「見る」トレーニングを行います。画面に高速で流れる文字をリラックスして眺め、「見る」力を高めていきます。
↓
②他の能力も一緒にアップ
こうして「見る」力だけをアップさせると、「理解」や「記憶」などの他の力も、それに追いつこうと少しずつあがってきます。
↓
③スピードを落として「読む」
速いスピードの画面を見続けていると、脳がだんだん速さに慣れてきます。つまり「理解」するスピードが「見る」スピードに近づいてきたということです。次に「理解」できる力のところまで「見る」スピードを落としてみます。すると、見たものがちゃんと理解できるようになります。
可塑性と汎化作用を利用した速読トレーニング
日本速読解力協会の速読のトレーニングでは、普段見ないような速いスピードで流れる文字を「見る」ことを行います。速く読むための擬似的な環境を与え、本人が持っている能力を最大限発揮させることが目的です。そして定期的にその環境に身を置くことで、その能力の定着を図ります。
速読解力講座 トレーニングの流れ ※一例です
1.まずは読書速度を計測
2.識力向上トレーニング
3.高速で見るトレーニング
計測した速度→高速→ペースダウン
4.もう一度、読書速度を計測
5.さらに、理解力を伴った読み方を維持するトレーニングや、脳力トレーニングを実施
誰もが持つ脳の特性を活用する日本速読解力協会の速読トレーニングでは、読むスピードが速くなるだけでなく、理解力や記憶力も伴った速読力を身につけることができます。
教育改革や社会人の働き方改革が注目されている現代において、短い時間で速く正確に情報を処理できる速読力は、学習や受験、仕事などあらゆる場面で役立つスキルです。
日本速読解力協会では、パソコンやタブレットを用いて楽しみながら速読トレーニングができる「速読解力講座」を全国で開講しています。
最寄りの教室でぜひトレーニングを体感してください。
まとめ
速読力は誰でも身につけることができる能力
- 脳の特性1.可塑性とは、外部からの刺激に柔軟に対応する特性(慣れ)のこと
- 脳の特性2.汎化作用とは、ひとつの能力が活性化すると他の能力も連鎖的に活性化すること
- 速読トレーニングでは、2つの脳の特性を活用することで、理解力を伴った速読力を向上させる
脳の特性を活用した日本速読解力協会の速読メソッドだから、ななめ読みや飛ばし読みではない、学習や受験、仕事にも役立つ速読力を身につけられるのですね。
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可塑性の例
環境や状況に慣れるという可塑性を利用する状態は、自動車の運転と似ていると言われています。
自分にとって通常の速度よりも高速の状態が続くと、その高速の速度があたかも自然であると感じるようになり、元の通常の速さに戻ったときにはそれが遅く感じるようになるというものです。
たとえば、自動車を運転していて一般から高速の道路へ移ると、速度が60kmから100kmに上がるので、当然「速い」と感じますが、しばらく100km/時で走った後、高速から一般の道路に戻る頃には、脳が速さに慣れ、以前の60kmが逆に「遅い」と感じるようになります。そのため、速度計を見ずに感覚だけで速度を戻そうとして、本人は60kmに落としたつもりが実際には80kmで走っていた、という現象が生じることもあります。これは脳が高速走行のスピードに慣れたことで、情報処理能力が高まったためでもあります。