本はどうやってできるの?本が作られる流れから本に関わるお仕事まで大公開!

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みなさんが普段読んでいる本は、どのようにして作られているか知っていますか?

この記事では「本ができるまで」の流れと、本に関わるお仕事について詳しくご紹介します。

本ってどうやってできるの?

出版社(編集者)

企画
世の中ではどのような本が求められているのか、だれに書いてもらうのか、などをまとめた企画書をつくり、企画会議で採用されたら出版に向けて動き出します。

作家・ライター・編集者

原稿依頼・執筆
作家やライターに原稿執筆を依頼し、原稿を書いてもらいます。編集者は、締め切りまでに書き上げてもらうよう作家・ライターとやり取りします。

グラフィックデザイナー

デザイン
書きあがった原稿を本にするときに、文章をどのように配置するのかを決めたり、表紙やカバーなどのデザインを決めたりします。

校正者・校閲者

校正・校閲
最初の原稿(ゲラ)の内容に、誤植(印刷間違い)などがないかを確認します。文章の意味や内容まで確認する場合は「校閲」といったりもします。修正・校正を2・3度くり返し、原稿が完成します。

印刷所・製本所

印刷・製本
印刷するための※版を作り、ページの順番等を確認し、印刷します。カバーや表紙・帯など、色の仕上がりを確認する「色校正」の作業を行います。印刷後、製本してようやく本の形になります。

※印刷のために文字や図形を彫った板のこと。

短くて2〜3ヶ月、長いと数年かけて、ようやく完成します。1冊の本ができるまでに、実はとても多くの人が関わっているのです。

本に関わる仕事ってどんなものがあるの?

ひとくちに「本に関わる仕事」といっても、その内容はさまざまです。「将来は本に関わる仕事がしたい!」と思っている読書好きのみなさんは、進路選びの参考にしてみてくださいね。

本をかく

・作家

文章を書いて世に発表します。本の内容によって「小説家」「エッセイスト」など呼び方が分かれることもあります。また、取材や資料収集した内容を本や記事にする職業のことを「ライター」といいます。

作家が主人公のおすすめの本

小説の神様

相沢沙呼 著

学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない…。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつくが・・・


・絵本作家

絵とお話を考え、絵本を作るお仕事です。絵もお話も両方ひとりで作る作家もいれば、絵とお話をそれぞれ分けて作っている作家もいます。イラストレーターがかけもちで絵本を作っていることも多いです。


コピーライター

本のポスターや帯などにのせる、人々の印象に残るようなキャッチコピー(宣伝文句)を考えます。

本をつくる

編集者(出版社)

作家と本の内容や構成を考えてアイデアを出し、原稿の確認や執筆のスケジュール管理などを行います。

編集者が主人公のおすすめの本

舟を編む

三浦しをん 著

出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。


・印刷会社

指定された紙とインクで本を印刷します。本だけでなくチラシやポスターなど幅広い印刷物を扱っていることが多いです。


校閲者(出版社)

原稿に間違いやよくないところ・直すべきところがないかを確認し、作家・編集者とやりとりして修正をすすめていきます。

校閲者が主人公のおすすめの本

校閲ガール

宮本あや子 著

憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、根性と気合と雑誌への愛で、激戦の出版社の入社試験を突破し総合出版社・景凡社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。


翻訳家

外国語の本を日本語に翻訳します。高い外国語のスキルが必要です。

本をデザインする

イラストレーター

本の表紙や挿絵などのイラストを描きます。


装丁家(ブックデザイナー)

表紙や帯など、本の外観をデザインします。本のデザインによって本の売れ行きが大きく左右される事も…!

装丁家が主人公のおすすめの本

装幀室のおしごと。~本の表情つくりませんか?~

範乃秋晴 著

その本だけのぴったりなデザイン“本の表情”を生み出すことを信条に出版社の装幀室で働く本河わらべは、「本の内容には目を通さない主義だ。中身を読もうが読むまいが、売り上げが変わるとでも思っているのか?」という男の言葉が信じられず・・


エディトアルデザイナー

読みやすく美しい誌面になるように、どんなフォントや色を使うか、文章や写真・イラストの配置などを考え、本の中身をデザインします。

本を売る

出版取次

出版された本を仕入れて各書店に送ります。出版社と書店をつなぐ大事なお仕事です。


書店員

新しく入荷した本の陳列、おすすめの本のポップ作り、接客業務など、書店でのあらゆる業務に携わります。

書店員が主人公のおすすめの本

書店ガール

碧野圭 著

吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が……。

本と人をつなぐ

司書

図書館で本の貸出・返却やレファレンスサービス(調べ物や探し物などの手助け)などの業務を行います。ほかにも展示コーナーの設置やイベントの企画なども行います。

司書が主人公のおすすめの本

おさがしの本は

門井義信 著

和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれる日々を送っていた。ある日、財政難による図書館廃止が噂され、和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる…。


司書教諭(学校司書)

学校にある図書館の運営にかかわります。司書の業務に加え、「読書指導」や「図書館指導」などを行います。イベント企画(例:ブックトーク、ビブリオバトルなど)をすることもあります。

まとめ

一冊の本ができあがるまで短くて2〜3ヶ月、長いと数年もかかります。
また、本が手元に届くまで、本をかく人、つくる人、デザインする人、売る人などたくさんの人が関わっています。そう思うと、一冊一冊を大切に読みたくなりますよね。
この秋は本をたくさん読んでみましょう!

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