コロナで前倒しに!1人1台端末を持つ「GIGAスクール構想」とは?

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文部科学省が2019年12月に発表した「GIGAスクール構想」ってご存知ですか?今、新型コロナウイルスの影響でこの「GIGAスクール構想」が急ピッチで進められています。学校の授業が大きく変わる「GIGAスクール構想」について詳しくお話していきます。

そもそもGIGAスクール構想ってなんだろう?

「GIGAスクール構想」の「GIGA」は「Global and Innovation Gateway for All」の略です。直訳すると、「全ての人にグローバルで革新的な入り口を」という意味になります。

文部科学省ではこのように定義づけています。

GIGAスクール構想

〇1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援 を必要とする子供を含め、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する
〇これまでの我が国の教育実践と最先端の のベストミックスを図ることにより、教師・児童生徒の力を最大限に引き出す

萩生田光一文部科学大臣は、「1人1台端末」を「令和の時代における学校のスタンダード」と述べています。

文部科学省から、GIGAスクール構想のこのようなプロモーション動画が出ています。

つまり、全国の小学校や中学校のみんなに1 人 1 台端末(タブレット等)が準備され、高速インターネットの環境も整備されると言うことですね。

速ドッグロボ

なんでGIGAスクール構想は必要なの?

GIGAスクール構想を打ち出した背景には、日本の学校教育における様々な問題がありました。

1.学校のICT環境の整備状況は危機的な状況

まず一つ目は学校のICT環境の整備が遅れており、地域間での整備状況の格差が大きい状況であることが挙げられます。

教育用コンピューター1台辺りの自動生徒数

平成31年3月時点では平均で5.4人に1台の端末しかなく、愛知県の7.5人に1台から佐賀県の1.9人に1台というように地域によってかなりの格差がありました。

2.学校におけるICT利活用は世界から遅れをとっている

二つ目は学校の授業におけるデジタル機器の使用時間はOECD加盟国※で最下位ということです。

※オーストリア、ベルギー、デンマーク、仏、独、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、伊、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英、米、カナダ

1週間のうち、教室の授業でデジタル機器を利用する時間

日本は1週間のうち、教室の授業でデジタル機器を利用する時間は国語が全体の14%、数学が全体の7.8%、理科が全体の19%しかありません。OECD加盟国と比べてみても、圧倒的に使用時間が少ないことが分かります。

3.子どもの学校外でのICT使用は「学習外」が多い

三つ目の理由ですが、実は日本は学校外でのICT利用はOECD平均以上だったのです。しかし、学習面ではOECD平均以下になり、環境はあって使用方法は分かるのに学習面では使われていない、ということが判明しました。

学校外での平日のデジタル機器の利用状況
GIGAスクール構想は、このような日本のICT環境や教育の現状を変えるために打ち出された施策なんですね。

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実際、GIGAスクール構想で教育はどう変わるの?

それでは、実際『1人1台端末』と『高速インターネット』の設備が整ったら、学校教育はどのように変化するのでしょうか?

1.子どもたち一人一人の反応を踏まえた、双方向型の一斉授業が可能に

今までも先生がプロジェクターや大型のディスプレイなどを用いて説明し、子どもたちの興味関心を高めることはできていました。しかし、1人1台端末があることで、先生は授業中であっても生徒一人一人の反応が把握でき、きめ細やかな指導が出来るようになります。

2.一人一人の学習状況に応じた個別学習が可能

今までは生徒全員が同じ内容を学習しており、一人一人の理解度に応じた学びは困難な状況にありました。しかし、一人一人の端末があることで生徒それぞれが同時に別々の内容を学習することが出来ます。そして、個人に合わせて学習履歴も記録が可能です。

3.各自の考えを即時に共有し、多様な意見交換が出来る

今までの授業スタイルは、意見を発表する生徒が限られてしまう傾向にありました。ですが、一人1台の端末があることで生徒一人一人の考えをお互いにリアルタイムで共有することができ、生徒同士で双方向の意見交換が可能になります。

ICTを活用することで、主体的・対話的な深い学びが期待されているのですね。

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GIGAスクール構想は今どこまで進んでいるの?

元々GIGAスクール構想は、5年計画で進める予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で学校が一斉に休校となり、2020年度内の実現へと前倒しすることになったのです。

このような背景があり、経済産業省が2020年3月に「学びを止めない未来の教室」プロジェクトを始動させました。GIGAスクール構想はコロナ禍における新しい教育への期待を一身に背負っています。

学びを止めない未来の教室

経済産業省

そして、文部科学省によると、2021年3月17日時点では全自治体等のうち97.6%に当たる1769自治体等で2020年度内に納品を完了する見込みです。

整備が完了すれば、全国ほぼ全ての公立小中学校で1人1台の端末が使えるようになります。

いよいよ整備も整ってきて、新しい学びが始まってきていますね。

速ドッグロボ

GIGAスクール構想を実現するために2020年度補正予算案に総額2292億円が計上されました。デジタル庁の設置もあり、ICT教育、オンライン・遠隔教育など、今日本の学校教育が大きく変わってきています。

しかし、便利で身近な存在のインターネットは、ときに危険なものにもなりえます。周りの大人の指示をよく聞き、正しく安全にタブレット端末を活用しましょう。

まとめ

GIGAスクール構想は小学校や中学校のみんなに1 人 1 台端末(タブレット等)が準備され、高速インターネットの環境も整備される構想

  • 日本はICT設備や利用が世界から遅れている
  • GIGAスクール構想で双方向の授業や個別学習が可能に
  • コロナで実現が前倒しになり、1人1台の端末が使えるようになるまであと少し

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