入試・面接頻出テーマ「SDGs」とは?子どもにおすすめの本を紹介!
公開日:2020.12.17
最終更新日:2024.11.13
この記事は4357文字です。
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メディアや街で見かけることが多くなったキーワード『SDGs(エスディージーズ)』。
どういう意味かご存知ですか?
SDGsは入試の頻出テーマになっています。
入試対策のためだけでなく、SDGsのことを知ると、私たちの暮らしに対する意識が大きく変化するきっかけにもなります。
今回はSDGsについての紹介や、SDGsの理解を深めることができるおすすめの本についてお話します。
目次
SDGsとは?
SDGs = Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
SDGs(エスディージーズ)とは『Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)』を略した言い方で、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標のことです。
日本では「SDGs推進本部」を設置し、幅広いステークホルダーによって構成される「SDGs推進円卓会議」を経て、「SDGs実施指針」を決定しました。
より具体的な施策方針として「SDGsアクションプラン」が毎年公表されています。
最近はSDGsに取り組む企業も多くなっています。
胸元にSDGsのバッジをつけているサラリーマンを見かけたことはないですか?
SDGsは社会で注目されているだけではなく、常識として認知されつつあります。
参考:JAPAN SDGs Action Platform|外務省
SDGsの目標って、具体的にどんな目標?
SDGsでは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」を掲げています。 まずは「17の目標」から見てみましょう。
現代が抱える課題を挙げた「17の目標」
貧困や飢餓、環境から人権まで、現代の世界が抱えている課題が挙げられています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任、つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
「169のターゲット」は「17の目標」を具体化したもの
次に「169のターゲット(具体的目標)」です。
「17の目標」を具体化したものが「169のターゲット」のことで、「17の目標」のひとつの目標につき、10個ほどのターゲットが設けられていて、全て合わせて169のターゲットがあるので、「169のターゲット」と呼ばれています。
参考までに「17の目標」のひとつめ『貧困をなくそう』のターゲットを見てみましょう。
1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。
具体的な内容も漠然とした内容も、どちらも含まれています。
「169のターゲット」をさらに具体的に数値化したものとして「232の指標」というのもあります。
SDGsをわかりやすく説明した、動画も用意されているので、理解を深めるために是非見てみてください。
ズバリ、入試には出題されるの?
すでに頻出テーマとなっています!
SDGsを題材にした問題は、中学・高校さまざまな入試問題で出題されています。
また、出題される科目も限定されておらず、社会系の科目、英語、小論文等といった、幅広い科目で取り上げられています。
出題例としては、「持続可能な開発目標」を解答させたり、17の目標と提示された事例との関連性を問われたりします。
筆記試験だけでなく、面接で問われることもあるそうです。
学校によって出題は様々ですが、入試の定番となっているので、この先もSDGsが入試で出題されることになりそうですね。
SDGsに関する理解を深めて、入試に備える
SDGsの内容を覚えるというよりも、SDGsの目標として掲げられている問題から、自分自身の生活に置き換えてみたり、自分には何ができるかを考えてみると、より理解が深まります。
例えば、買い物袋が有料になったのもSDGs達成のためです。
地球温暖化や生態系の破壊にもつながる プラスチックを減らすことは、 目標14「海の豊かさを守ろう」・目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成に近づきます。
実際に「あなたならどう行動しますか?」と出題されたSDGs関連の入試問題もあります。
世界規模の大きなことばかりではなく、身近な問題として考えてみるといいかもしれません。
SDGsをもっと身近に感じられる、おすすめの本
SDGsを解説した本は多数出版されています。
子ども向けにわかりやすい本もあるので、ぜひ読んでみてください!
すべての学年におすすめ
SDGsって何?という状態であれば、無理せずやさしい本から読みましょう。
大人にもわかりやすい内容のため、親子で読むのもおすすめです!
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こどもSDGs
なぜSDGsが必要なのかがわかる本秋山宏次郎 監修(カンゼン)
SDGsと世界が直面する解決すべき問題、そして私たちの生活との関連をわかりやすく解説しています。
図表や写真も多く、17の目標もわかりやすく書かれていて、SDGsを身近に感じながら学ぶことができる一冊です。 -
世界がぐっと近くなる
SDGsとボクらをつなぐ本池上 彰 監修(学研プラス)
「SDGsは難しい!」というイメージを払拭するために、目標ごとにキーワードが設定され、そのキーワードから連想できるような構成になっています。
また各目標の説明冒頭には、日常生活を描いたマンガでわかりやすく問題提起されていて、SDGsに対して自然と理解できるような構成になっています。
中学生、高校生におすすめ
SDGsの基本はわかっている、入試対策にもう少し踏み込んだ内容がいいという方におすすめです!
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自分ごとからはじめよう
SDGs探究ワークブック保本 正芳・中西 將之・池田 靖章 著(noa出版)
ワークブック形式でSDGsを実践的に学ぶことができる一冊です。12か国をめぐる「旅」をしながら、SDGsの考え方や本質を学び、自分ごととしてとらえていくという構成になっています。
また、自分で調べ、整理し、他者と話し合って自身の考えを表現・発表までを実践的に学ぶことができます。 -
お笑い芸人と学ぶ
13歳からのSDGsたかまつなな(くもん出版)
人気講座の内容を踏まえた一冊。SDGsをアクティブに取り組める内容も含んでいます。
中高生が遭遇しそうな場面を使って解説しているので、自分ごととしてイメージしやすくなっています。
まとめ
まずは身近なところから「SDGsの目標」の問題点を探してみよう
SDGsの『17の目標』や『169のターゲット』は、私たち自身の生活の中や世界が抱えている問題を解決していくために掲げられています。「なんだか難しいな…」と考える前に、まずはSDGs関連の本を読んでみましょう。
そして目標について理解ができたら、「こんな問題があるんだな」と知った上で、「自分では何ができるのか」を考えてみましょう。家族や身近な人たちと話してみるのも良いですね!
考えたことを意識しながら生活していくだけでも、世界が抱える問題を解決する大きな一歩になりますよ。