速読ができる人の読み方は?「黙読」と「視読」の違い
公開日:2018.10.04
最終更新日:2023.01.24
この記事は4520文字です。
約4分で読めたら読書速度1200文字/分。
「速読」ができる人とできない人とでは、何が違うのでしょうか。
それは「読み方」です。実は多くの方が行っている読み方は、速さに限界があり、一定の速度以上は発揮できない読み方をしています。
それに対して、速読ができる人は「速く読める読み方」で読んでいます。
速読のような特殊な読み方は特別な人しかできないのでは…と思われるでしょうか?
そんなことはありません。トレーニングすれば誰でも「速く読める読み方」を身につけることができます。
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速読ができるようになると、読書はもちろん、受験や日々の学習、仕事など様々なシーンで役立てることができます。
目次
普段文章を読むときは「黙読」で読んでいる
黙読の読み方とは?
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多くの方は「黙読」という読み方で文章を読んでいます。
黙読は、頭の中で一文字ずつ音声化する読み方です。
「音読」と言えば、聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
「音読」は声に出して一文字ずつ読む読み方ですが、これに対して、声には出しませんが頭の中で音声化して読む読み方を「黙読」と言います。
黙読の読書速度はどれくらい?
黙読の読み方で読んだ場合、読書速度は400~600文字/分程度であることが多いです。
一般的に、声に出したときに心地よい速度と感じられるのが1分間に400~600文字(原稿用紙1枚~1枚半)ほどと言われています。
そのため、頭の中で音声化する黙読でもそのくらいの速さとなることが多いのでしょう。
競馬の実況中継くらいの早口だと、1分間に800文字程度と言われています。
音声化している限りは1文字ずつしか文字を追えませんので、黙読(音読)の速度は速くても800文字/分程度、ということになります。
速読ができる人は「視読」をしている!
視読の読み方とは?黙読とどう違う?
速読ができる人は、「視読」を行っています。
「視読」とは、頭の中で音声化をしない読み方です。
「黙読」の読み方は、一文字ずつ順番に目を動かし、頭の中で音声化する読み方です。
これに対して「視読」は、具体的には文章をかたまりで瞬間的に視野に入れ同時に内容を理解する読み方です。
「視読」は難しくはありません。実は日常的に行っているのです。
たとえば思い出してみてください。コンビニや銀行の看板を見て、一文字ずつ音声化して読んでいますでしょうか。知っている地名や駅名、家族・友人の名前、よく知っている店名や会社名・ロゴなどは、わざわざ一文字ずつ頭で音声化せずに、かたまりで見て、意味を理解しているのではないでしょうか。
日常生活では、見知った文字列や短い単語は音声化しなくても何が書かれているか瞬間的に理解しています。
しかし、読書のときはどうでしょう。文字がずらりと並んでいると、これまでの習慣から「視読」ではなく「黙読」で読んでいる(頭の中で音声化している)のです。
「視読」の読み方を日常生活で行っているのに、なぜ?と不思議に思うかもしれませんが、それには理由があります。
それは、文章を読むときになるとこれまでの習慣で「視読」ではなく「黙読」の読み方で読んでしまうためです。
小さい頃から絵本の読み聞かせや朗読を聞いたり、学校などで本を読むときに声に出して読んだりしていたことで、文章を読むときには特に意識することなく頭の中で音声化する「黙読」の読み方を行っている、という人がほとんどなのです。
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視読と黙読の読書速度の違いは?
黙読の読書速度は先述のとおり、400~800文字/分程度です。
それに比べて、完全に視読ができるようになると、読書速度3000文字/分以上を発揮することができます。
中には、800文字/分以上の速度を発揮できる方がいらっしゃいます。
読書経験が豊富であったり難関校を受験するなどで猛勉強していたりして、速く読みたい、速く読まなければならない、といった環境に身を置いていらっしゃる方は、気づかぬうちに「黙読」と「視読」が混在した読み方(頭の中で音声化するところとかたまりで理解するところとが混じった読み方)を身につけていることがあります。
ただし自然と身につくというのは稀なケースといえるでしょう。
視読の読み方はどのくらい速くなるの?
完全に「視読」ができるようになると、読書速度3000文字/分以上を発揮することができます。個人差はありますが、読み方を完全に視読に移行させるには期間を要します。
速度を上げられるに越したことはないのですが、実際は日常生活で「黙読」と「視読」が混在した読み方(頭の中で音声化するところとかたまりで理解するところとが混じった読み方)である1000~1500文字/分程度でも、十分「速い」と感じることができます。
日本人の読書速度の平均とされる500~600文字/分程度からすると、1000~1500文字/分程度は、約2~3倍の速度です。
たかが2~3倍、と思われるでしょうか。もし他の人より2倍速く読めれば、周囲の人が60分かけて読んでいるときに半分の30分で読める、ということになります。
たとえばこれが80分の試験時間であれば、残りの解答できる時間の違いはどうでしょう。30分で読めたとしたら、残り50分が解答時間に充てられます。それに対して他の人たちは20分しか解答時間がありません。この時間の差はとても大きく感じられることでしょう。
このように読書速度が2~3倍であっても時間の使い方は大きく変わり、また時間の余裕が心の余裕につながるなど、様々な場面でメリットを感じられるようになります。
「視読」ができるようになる速読法
速読法は色々ある?
世の中には様々な速読法があります。フォトリーディングや、斜め読み・飛ばし読みなど、同じ速読といいながら、トレーニング法や習得期間も多様です。
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たとえばビジネスパーソンが限られた時間で大量に読書をして「自分にとって必要な知識だけを効率的に得たい」といった目的で読書速度を向上させたいのであれば、本の中のすべての細かなストーリー、深い理解や内容記憶はそこまで必要ではありません。概要が把握できたり自分にとって必要な用語をすぐにピックアップできたりすればよいので、瞬間的に文章全体を見て必要な部分だけ取捨選択し、読む必要のある文章をしっかり読む、といった速読法が好まれます。
トレーニングにおいては短期間に習得できることや、これまでの読書速度の何十倍・何百倍といった高い速度を目標にすることなども検討されるでしょう。
学習や試験にも対応できるようにするためには、文章の内容を正しく理解し、思考を深め、問題に対して正しく解答を導き出す必要があります。
そのため、読み飛ばさず、文章すべてをしっかりと読み、理解度や記憶量を維持しながら速く読むという速読法が適しています。
速読法は様々ありますが、自分にとって必要なシーンで活用できること、提示されている習得目安期間しっかりと継続して正しい方法でトレーニングすることが大変重要です。
速読解力講座で速読の読み方を身につける!
日本速脳速読協会では、理解度・記憶量を維持した状態で読書速度を向上させる「視読」の読み方を習得します。
学習や試験、ストーリーを楽しむ読書においても非常に有効な速読法です。
速読解力講座では、個人に合った速度、学年・レベルなどから、誰でも効果的に「視読」の読み方を身につけられるようにトレーニングが展開します。
目の機能向上、文章をかたまりで見るトレーニングなどを基本として、短文問題に取り組んで速度と理解度のバランスを測ったり、基礎的な読解力を確認したりする問題もあります。ゲーム感覚で記憶力や検索力などの能力を向上させる脳トレは、小さなお子さんでも楽しく取り組むことができます。
速読解力講座のトレーニング
毎月、速読解力検定などの成果確認のテストがありますので、普段本や雑誌などを読むときに発揮できる読書速度だけでなく、試験などで発揮できる速度レベルや能力のバランス、さらに今後のトレーニングにおけるアドバイスなどをしっかり確認しながら、定期的に速読の習得度を確認し、目標をもって続けることができます。
※速読解力検定などの成果確認は教室やコースにより実施していないことがあります
慣れていた「黙読」の読み方から「視読」の読み方を実践的に活用できるようになるためにはそれなりに時間を要しますが、水泳やピアノのように、読み方の「型」が一度身につけば、トレーニングをやめた後もずっと発揮できるようになります。
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まずは自分の読み方や能力を知ることから始めてみるのもおすすめです。
自分は人よりも速いのか、速度と理解度のバランスはどうなのか、文章理解に必要な能力(短期記憶力や検索力など)はどれほど持っているのか、現在の読み方や能力を知ることは日常や学習においても非常に役立つはずです。
- 日本速脳速読協会「速読解力講座ページ」 小学生・中学生・高校生向け
- 日本速脳速読協会「速読解Bizページ」 大学生・社会人向け
- 日本速脳速読協会「開講教室検索ページ」
まとめ
- 多くの方は頭の中で音声化する読み方「黙読」で読んでいる
- 速読ができる人は文章をかたまりで見て同時に内容を理解する「視読」で読んでいる
- 「視読」はトレーニングすれば誰でも身につけることができる
「視読」の読み方は一度身につければ、一生ものです。
トレーニングをすれば誰でも速読の読み方を身につけることができます。
ぜひ身につけて、将来にわたって様々なシーンで速読力を役立ててください。