これからの学習には速読解力が必須!全国の教育関係者320名が情報交換
公開日:2019.10.17
最終更新日:2021.09.02
この記事は2226文字です。
約2分で読めたら読書速度1200文字/分。
2019年9月9日東京品川「グランドプリンスホテル高輪」で「SRJ全国大会2019」が開催され、全国の学習塾・学校の経営者、講師の方約320名が参加しました。
基調講演では「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の著書で知られる新井紀子先生が登壇。
これからの子どもたちに必要な読解力を鍛える必要性を改めて感じる機会となりました。
また、教育システムを開発・販売するSRJからは新しいICT教育システムの発表があり、速読解力や思考力を鍛えるプログラム内容に期待が高まりました。
人工知能がもたらす人間と社会の未来
ビジネス書大賞2019大賞を受賞した「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」の著者、新井紀子先生の基調講演が行われました。
AIの可能性について、スマホなどの音声アシスタントや画像認識を例に上げ、まだまだ発展途上の技術であることや、東大模試やセンター試験の結果についての興味深い結果を公表。
また、「読解力」については、県内トップ3の学校に通う中高生であっても簡単な文章で間違う割合は数10%に上るとし、学校や塾で論理的に教えていないからではと指摘。「何がどう間違えているのかを科学的に言えないと、教えてるとは言えない」と苦言を呈しました。
速く読むことや、多読だけでなく、「読解偏差値」が必要だと語り、中学を卒業するまでに教科書をしっかり理解できるようにすることが、教育の最重要課題だと訴えました。
参加した教育関係者からは「AIがどういうものなのか、人に何が必要なのかわかった」「AIに対する誤解がとけた」「子どもたちの読解力のなさは問題があるとひしひしと感じた」「成績が上がらない生徒への糸口がつかめた気がする」といった声が聞かれました。
(レポート詳細は月刊私塾界2019年10月号に掲載)
ゲーミフィケーションがもたらすのは楽しく能動的な学び
岸本好弘 先生
一般社団法人 日本ゲーミフィケーション協会 代表理事
元東京工科大学メディア学部准教授
元ナムコ、コーエーのゲームクリエイター、「ファミスタの父」。岸本氏をTERRACE開発プロジェクトの監修にお迎えし、受講生が夢中になれるトレーニングの開発を目指します。
2020年3月に株式会社SRJからリリースされる新しい学習システム「TERRACE」には、生徒が楽しく学ぶためのゲーミフィケーションの仕組みが取り入れられます。
その監修として迎えられた岸本好弘先生がゲーミフィケーションが教育に果たす役割について講演されました。
「ゲームというと、子どもがやる勉強のじゃまになるものという考えもあります。しかし、ゲームはまさに究極のモチベーションテクノロジーです。能動的に動ける人材を育成するために楽しみながら継続する支援をする仕掛けがゲーミフィキケーションと考えます。」と語り、長年のゲーム開発や大学での授業の実践を踏まえ、ゲーミフィケーション6つ要素を紹介されました。
(株式会社SRJ TERRACE特設サイトで動画公開中)
正解が一つではないテーマの謎に挑む思考訓練法「よのなか科」
藤原和博 先生
京大学経済学部卒業後、株式会社リクルートに入社。義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務めた。 多くの本を書いており「人生の教科書作家」とも呼ばれています。中でも、子どもたちには「キミが勉強する理由」がおすすめ。
「TERRACE」には速読解力と思考力の他に、表現力を育むコースを搭載。藤原和博先生が創設した「よのなか科」を配信予定です。
「塾は情報処理力に傾倒していると思っていました。しかし塾の方と接するうちにそうではないことを実感。塾でも情報編集力を養う指導をしていただき、子どもたちの未来を切り開いてください。」と会場に集った320名の塾経営者・講師の方に語りかけました。
(藤原和博先生の講演レポートはこちら)
主催:株式会社SRJ (TERRACE特設サイト)
協賛企業:楽天株式会社 / ジョイス株式会社 / 吉備学習システム販売株式会社 / 株式会社クロノクリエイト / 株式会社学友社 / 株式会社スタディラボ / 株式会社V-Growth / 株式会社好学出版
関連キーワード
新井紀子 先生
国立情報学研究所 社会共有知研究センター センター長・教授
一般社団法人 教育のための科学研究所 所長・代表理事
東京都出身。一橋大学法学部およびイリノイ大学数学科卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院を経て、東京工業大学より博士(理学)を取得。専門は数理論理学2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務める。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。科学技術分野の文部科学大臣表彰、Netexplo Award、日本エッセイストクラブ賞、石橋湛山賞、山本七平賞、大川出版賞などを受賞。近著作は「日本を殺すのは、誰よ!」「(改訂新版)ロボットは東大に入れるか」「AIに負けない子どもを育てる」。