藤原和博先生の「10年後、君に仕事はあるのか?」イベントレポート
公開日:2019.06.08
最終更新日:2021.09.07
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講演1300回超える人気講師として全国で講演・授業を行っている藤原和博先生のアクティブラーニングの授業を「日本速脳速読協会」主催で東京・静岡・大阪・広島・沖縄で開催。
ブレストを交えた熱気あふれる授業の模様をレポートします。
主体的で共同的な学びとは
今日は「世の中科」という授業を体験してもらいます。物事を自分のこととして考え、1人で悩んでていても思いつかないことを、3人、5人の知恵と自分の脳とつなげて判断しようということです。つまり、思考力・判断力・表現力を広げるアクティブラーニングの授業です。
その中で、これから10年くらいで世の中がどう変化し、必要な力が何かを考えたいと思います。
まずはじめに、「10年後どんな社会になっているか?」について、頭をやわらかくして、自分はこうだと思う仮説をみんなで話し合ってみてください。
10年後、世界中の有識者が意見が一致しているのは「約50億人がスマホでつながる」ということです。たった1分の動画をネットにアップしたら1億人に「いいね」されて、次の日にはハリウッドからオファーが来る、そんな時代です。
さらにそのネットワークにAI武装したロボットがつながっていきます。もう、すでに私達はAI武装したロボットと共生しています。賞味期限を教えてくれる洗濯機とかそうですね。車の運転も自動化しています。
藤原先生
日本でも世界でも、新商品サービス開発ではこういったことをしています。意見を出し合い、メモをして、グループに分けて、タイトルを付け、どれが優先順位が高いかを決めていきます。これが情報編集力です。
ブレストではお互いが言ったことに刺激をうけて、0.1秒前にはなかった発想が引き出せる、化学反応が起こるということを体験してください。
藤原先生
この質問にも、正解はありません。このことを考える回路がインプットされたということが重要です。そして、未来のために考え続けないといけません。
情報処理能力と編集力
正解がある問題を解くことが情報処理能力です。それに対して、自分の脳を拡張して、仮説をたてることが情報編集力です。
学校のテストでは4択問題が出されますが、社会ではその選択肢を自分で考えなければならないし、その中には正解がないかもしれない。仮説を無限に出して、追っていける人が、今社会で求められています。
小学生の時は脳のメモリを増やすためにも情報処理力を高めてください。それを、中学では7:3、高校で5:5くらいにしてほしいと思います。
テストの問題はどんどん長文になっていくので、5分で読む人と2分で読める人は解く時間が変わってきます。速く処理して、できるだけ情報編集に時間をかけることが大切です。
情報編集力を上げる(頭をやわらかくする)には、「遊び」が大切なんです。10歳までにどれほど豊かに遊んだかが将来の情報編集力のベースになります。「雨が降った」とか、「急に小さい子が参加した」場合、どうルールを変えたら楽しめるかということを遊びのなかで学んでいます。
また、「留学」や「コミュニティとのかかわり」も有効です。先生・親子・友達意外の、価値観の違う人に対して自分の考えを伝えることが、コミュニケーション力を豊かにしてくれます。
今回の公演が皆さんのエネルギーや元気になりましたか? ありがとうございました!
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藤原和博 先生
東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルートに入社。義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務めた。
多くの本を書いており「人生の教科書作家」とも呼ばれています。中でも、子どもたちには「キミが勉強する理由」がおすすめ。