【新課程初年度】2025年度実施の大学入学共通テスト英語:語数は減少するも読むスピードは必要!

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2025年度(令和7年度)大学入学共通テストが、2025年1月18、19日に行われました。
今回は新課程初年度の出題でした。リーディングでは事前に試作問題で提示されていた2つの大問が出題され、大問が8題構成になりました。一方、リスニングはアメリカ英語以外の話者の発音が入る点や、グラフや図表に関する問題が出題されるなど、昨年度までと大きな変化はありませんでした。

ここでは、大学入学共通テスト英語リーディング、リスニングの語数カウント結果と分析を掲載します。(SRJ調べ)

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英語:リーディング 分析

大問は6題構成から8題構成に、長文の出題数は10本から8本に減少

試作問題で事前に提示されていた2つの大問のうち、A(意見文作成に必要な情報の読み取り)が第8問に、B(エッセイおよびそのフィードバックの読み取り)が第4問にそれぞれ追加されました。その結果、大問は6題構成から8題構成になりました。一方で、長文の出題数は10本から8本に減り、語数も昨年度より約700語減少しました。

出題語数が減った点は易化と言えますが、本文の表現を言い換えた表現での選択肢や、複数の情報源から解答を導き出す必要がある設問など、落ち着いて解くための時間を確保しておきたい問題も依然として出題されています。
大問6の物語で時系列順に書かれていない点は昨年度の大問5と同様でした。

問題構成の変更はありつつも、過去3年間は6,000語を超える出題となっていることから、次年度以降も150wpmを常に意識しながら、英語長文をスピーディーに読解していく学習を進めておくことが得策であると言えます。

時間内に読解するためには150wpmが必要

高校生の平均読書速度75wpmで読んでいては、読むだけで時間が足りなくなってしまいます。そのため、受験には約2倍の150wpmの英語を読むスピードが必要となります。

日本語に置き換えながら読んでいくのでは時間が足りなくなってしまうので、英語を英語のまま処理していく力が求められていると言えます。

※wpmとはwords per minuteの略で、1分間に読めるワード(単語)数のことです。

英語:リスニング 分析

問題用紙の英文やグラフをスピーディーに読み取る力が必要

設問数・マーク数・再生回数は、昨年度と同様でした。最後の会話が昨年度は4人だったものが3人に変わりましたが、放送の語数はほぼ変化はありませんでした。

イラスト・表・グラフなどを含む問題が多く出題されているのも特に変化はありませんでした。

第4問以降は、事前に問題文・条件・図表・選択肢などを、限られた時間で正確に読み取ったうえで音声の聞き取りに集中する必要があるため、日本語・英語問わず情報をスピーディーに処理する力が不可欠です。

再生1回の割合は約6割、リスニング力が試される

読み上げ語数は1,619語で、昨年とほぼ変わりませんでした。今回も、アメリカ英語以外の英語音声もたびたび放送されており、この出題傾向は定着していると言えます。積極的にいろいろな英語の音声に触れていく学習を心がけておきたいですね。
1回の再生で聴き取るリスニングの配点が6割となっているのも昨年と同様であり、高いリスニング力が求められています。

来年度以降の受験生の皆さんへのアドバイス

高1、高2生は今から長文読解・リスニング演習を始めよう

共通テストが始まって5回目のテストとなりましたが、リーディングの語数はおよそ5,500語を超える出題が定着しています。
語数について、新課程が導入された初の試験でもある今年度は約5,600語でしたが、昨年(2024年)度は6,300語と、ここ数年は6,000語を超えています。2022年度も前年度(共通テスト初年度)と比べて出題語数が500語以上大きく増えていることから考えると、今後再び6,000語台になる可能性が十分に考えられます。
英文を読むスピードは150wpmを常に意識して学習を進め、英文を速く正確に読むことができるようにしておきたいところです。

共通テストの出題に慣れるという意味では、次の様なことが必要です。

  • 本文の表現とは異なる表現での選択肢に慣れていく
  • 複数の情報を整理して話の流れや状況を正しく追っていく
  • 物語文では、時系列順になっていない展開もある

日頃から様々なジャンルの長文に触れていく中で、多くの英語表現に触れることができれば、言い換えの表現にも習熟することができます。ある程度まとまった量の英文を読むことを学習の中に取り入れてみましょう。

リスニングは約30分間、次々に英語の問題を解いていかなければいけません。
また、リーディングの後にリスニングが実施されますので、疲れていても英語が聴き取れるようになるまで習熟することが必要です。問題用紙に与えられている条件や状況、選択肢を素早く読んで頭に入れることと、1回で正確に聴き取ることができるよう、日頃から英語に触れていってください。

おすすめのトレーニング

日本速読解力協会の提供する速読聴英語講座では、英文を速く正確に読む・聴くためのリーディングとリスニングの2技能に特化したトレーニングで、受験に役立つ英語長文読解力を鍛えることができます。
また、共通テスト対策コースでは図表の読み取りや複数選択問題など、実際の出題形式で演習ができます。

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まとめ

共通テストでは、速く正確に読む・聴く力が求められる

  • リーディング総語数は5,612語で、昨年比で約700語減。
  • 例年5,500語以上、過去は6,000語超の出題もあり、英文を速く正確に読む力は必須。
  • リスニングの構成は大きく変わらず「1回再生」の配点が約6割。
  • リスニングでは短時間に問題文の情報をインプットできる力が必要。
  • リーディング・リスニングともに「情報を整理して全体像を把握する」ことも重要。

テンポよくリーディングの問題を解いていかなければいけない点や、アメリカ英語以外の英語の発音が含まれる1回再生のリスニングなど、共通テストの特徴ともいえる部分はある程度定着していると言えます。
リーディングでは本文の内容から解答根拠を見つけ出すだけでなく、それを別の表現で正しく言い表している選択肢を選ぶなど、ある一定の難易度は保たれていると言えます。
高得点を取るためには速く正確に読む・聴く力が必要不可欠です。簡単に身に付けられるものではないので、受験本番に向けて、今のうちからたくさんの英語を読んだり聴いたりすることに慣れておくようにしましょう。

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大学入学共通テストで合格に必要な得点を時間内に獲得するためには、英文を速く正確に読み解く力が必要不可欠です。英語を理解することはもちろんですが「時間との戦い」は避けて通ることはできません。

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