中学受験は夏が大事!夏休みの過ごし方と勉強時間
公開日:2024.07.29
最終更新日:2024.07.24
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中学受験において夏休みは学力を向上させる絶好の機会です。適切な学習計画を立て、それをきちんと進められるかどうかが成功の鍵となります。
この記事では、夏休みの過ごし方や勉強時間の目安、親が気をつけたいポイントなどについて詳しく解説します。
ライター
佐藤壮夫
株式会社SRJ 新規事業開発室
中学受験専門 速読解力講座運営
東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(International Studies)。大学在学中に教育事業会社を創業し、学習塾事業・公教育事業・オンライン学習事業などを推進。これまで小中高生を中心に、幼児から社会人まで全ての世代へ理解力や思考力を高める教育プログラムを提供してきた。
中学受験で夏が大事な理由
まとまった時間を自由に使うことができる
夏休みは学校の授業がなく、お子さんの学習にとって、まとまった時間を確保することができる非常に貴重な期間です。この時間を有効に活用することで、これまでの学習内容の復習や苦手分野の克服など、普段はやりたくてもなかなかできないことに取り組むことができます。
つまり、中学受験を控えたお子さんにとって、夏休みは学力を向上させる絶好のチャンスと言えます。
その一方で、夏休みは自由に使える時間が長い分、その期間でしっかりと勉強時間を確保できるかどうかで、その後の学力に大きな差が生まれます。夏休みを上手く活用することができれば、夏休み以降の学習を有利に進めることができますが、逆に上手に活用することができないと、周りに差をつけられてしまって後で苦労することになりかねません。
きちんと計画を立てて勉強時間を確保し、それに沿って確実に勉強を進めることが大切です。
夏休みは本格的な受験モードのはじまり
特に6年生にとって、夏休みは本格的な受験モードの始まりです。
夏休み後からは過去問演習などが始まり、これまでの学習内容をふまえたより実践的な学習に切り替わっていきます。そのため、これまでの総復習や苦手だった分野にもきちんと取り組み、秋以降の実戦力アップのための準備を整えておきましょう。
中学受験生は夏休みに何時間勉強すべき?
夏休みはまとまった勉強時間を取ることができる貴重な期間です。
しかし、学年や学力によって、適切な勉強時間は異なります。また、ダラダラと長時間勉強するのではなく、集中力を維持できる適切な時間設定を行うことも重要です。
以下を参考にしながらお子さまに合った勉強時間を見つけるようにしましょう。
小学1・2年生:1日あたり1~2時間、合計40~80時間
小学校低学年では、勉強時間の長さではなく、まず学習習慣を身につけることが何より重要です。1回15分程度でも良いので、机に向かう習慣をつけ、その時間は集中して取り組めるように練習していきましょう。
この時期は長時間机に向かうこと自体が難しい時期でもあります。無理に長い時間やらせようとしてしまうと「勉強=つらいもの」というネガティブなイメージを持ってしまう可能性もありますので、無理のない範囲で始めるように気をつけてください。
また、この時期は様々な体験を通して経験値を増やしていくことが、今後の学習の土台を大きくすることに繋がります。夏休みを活用して是非いろいろなことに触れる機会を作ってあげてください。
小学3年生:1日あたり2~4時間、合計80~160時間
小学3年生になると、中学受験を意識した勉強をスタートさせているご家庭も多いことと思います。
塾によっても異なりますが、小学3年生の夏以降は本格的な受験カリキュラムの学習が始まります。小学校低学年で身につけてきた学習習慣をベースにしながら、1日2時間程度を目安に取り組めると良いです。
苦手意識が根付く前に得意を作っていくことを目指しながら、算数や国語を中心に基礎固めをしっかりと行っていきましょう。
小学4年生:1日あたり3~5時間、合計150時間以上
小学4年生になると、受験カリキュラムが本格的になり、学習量も増えてきます。
1日4時間程度を目安に勉強に取り組み、苦手分野の克服にも努めましょう。学年が上がると内容はますます難しくなっていきますので、今のうちに基礎をしっかりと固め、応用問題にも対応できる力を養うようにしましょう。
本格的に塾に通い始めている人も多いと思いますので、塾の予習・復習の時間を決めて、計画的に学習を進めていきましょう。
小学5年生:1日あたり5~6時間、合計200時間以上
小学5年生は受験勉強を進める中でも特に重要な時期です。
この時期に計画的に学習を進められるかどうかで、その後の学習がスムーズに進められるかが変わっていきます。1日あたりの勉強時間は5時間程度を目指しましょう。
塾の授業を受けるだけで満足するのではなく、苦手分野の克服に努めてください。
小学6年生:1日あたり7~10時間、合計300~400時間以上
小学6年生はいよいよ受験本番に向けた最終段階です。
塾のカリキュラムでの各単元の学習もこの時期までにはひと通り終わっていることと思います。早いうちにまず一度過去問を解いてみて今の実力と比べて足りない部分や弱点を明確にし、その上でそれを克服していくことが重要になります。
夏休み以降は過去問対策が本格化しますので、その前にやり残しがないよう計画的に学習を進めていきましょう。
中学受験生の夏休みの過ごし方
勉強の計画を立てる前に苦手分野を知る
夏休みの勉強計画を立てる前に、まずはお子さんの苦手分野を把握することが重要です。
苦手分野を明確にすることで、効率の良い学習計画を立てることができます。
塾や家庭教師の先生に相談できる方は、これまでの模試やテストの結果を分析してもらうと良いでしょう。具体的なアドバイスを受けることで、どの分野に重点を置くべきかが明確になります。
塾などに通われていない場合は、ご自身でこれまでの模試の結果を分析したり、市販教材で単元ごとの理解度をチェックしたりして、苦手分野の把握に努めてください。
目標を決めて予定を立てる
次に、夏休みの目標を設定し、それに基づいた学習計画を立てます。
目標は具体的なものにすることが、モチベーション維持に繋がります。
まず、
「国語の模試で偏差値を5上げる」
「つるかめ算の基本問題が全部解けるようになる」
のように具体的な数値目標を立てます。
その上でそれを達成するために
「読解問題を毎日1題解く」
「つるかめ算の基本問題を3周分解く」
のような行動目標も明確にし、それらを組み合わせることで目標達成を目指すと効果的です。
目標が決まったら、それを達成するための具体的な学習計画を立てます。
1日の学習時間を決め、どの科目にどれくらいの時間を割くかを計画します。計画は無理のない範囲で立て、休憩時間も忘れずに確保しましょう。
毎朝1日の予定とすることを確認
毎朝、その日の学習予定を確認し、計画通りに進めることを意識します。
朝の時間を使って1日のスケジュールを再確認することで、計画のズレを防ぎ、効率的に学習を進めることができます。
また、予定は家族で共有するとより効果的です。予定を共有することでお子さん自身も計画を守ろうという意識が高まりますし、保護者の方も計画通りに進んでいるかの確認をすることができます。
振り返りの時間を作る
1日の終わりには、その日の学習内容を振り返る時間を設けましょう。
例えば、その日に学習した内容を、ノートなどに要約して書き出すようにすると、その日の学習内容をより定着させることができます。
また、学習時間や学習内容を手帳などに記録すると、後で自分の学習の軌跡を振り返ることができます。今後の学習計画の見直しに役立ちますし、モチベーションの維持にも繋がります。
計画通りに進められている場合は、お子さんをしっかりと褒めてあげ、計画通りに進まなかった場合は、その原因を分析し計画の修正を検討します。計画通りに進まなかったからといって責めることはせず、努力を認め、励ましながら、どうすれば改善できるのか一緒に考えるようにしましょう。
中学受験生の親が気をつけること
息抜きの時間を作る
夏休み期間は長いので、当初計画を立てた時の気持ちを保ち続けるのはなかなか大変です。
お子さんのモチベーションを維持するために、適度な息抜きの時間を作ることも意識しましょう。
例えば、短めの散歩やストレッチをしたり、時間を決めて好きな本を読んだりゲームをしたりして、気分転換をしながら取り組むようにしましょう。
ただし、ダラダラと長時間過ごしてしまう可能性があるものは、タイマーなどを活用したり、休憩時間には控えるようにしたりするなど、注意が必要です。
親子の時間を大切にする
中学受験はお子さんにとって大きな挑戦です。
そのため、プレッシャーや不安を感じやすく、精神的に不安定になることもあります。保護者の皆さんは、お子さんの変化にいち早く気がつき、寄り添ってあげられるよう、普段からコミュニケーションを密に取り、信頼関係を築き上げておくことを心がけてください。
勉強の進捗状況だけでなく、悩みや不安な気持ちなど、お子さんの言葉に耳を傾けるようにしましょう。
話の内容を否定したり、すぐに解決策を提示したりするのではなく、「そうだったんだね」「つらいことがあったね」など、共感する言葉を伝えるように心がけてください。親が自分の話を真剣に聞いてくれていると感じることができれば、安心して勉強に集中することができます。
毎日の忙しいスケジュールの中でも、食事の時間や寝る前のちょっとした時間などを利用して話を聞いてあげたり、勉強の合間に一緒にリフレッシュする時間を作ったりしながら、中学受験に向けた準備期間を親子で乗り越えていきましょう。
中学受験に役立つ!速読解力講座
日本速読解力協会が提供する速読解力講座は、夏休みでの弱点強化や受験勉強の合間の気分転換にピッタリの学習プログラムです。
文章を速く読めるようにするための速読トレーニングと、文章を正確に読めるようにするための読解トレーニング、脳の機能を高める脳力トレーニングで構成されています。そのため、文章を読むことに苦手意識があるお子さんは、こちらのトレーニングを行うことで、読むスピードを速めるとともに、読解力も鍛えられるので、国語はもちろんですが、それ以外の科目の文章の読み取りに強くなります。
- 速読解力講座(中学受験生向けトレーニング) 中学受験で有利になる速読解力を鍛えます。中学受験向け文章、時事問題なども搭載。
- 体験教室検索 全国の開講教室からお近くの教室を探すことができます。
全国にある開講教室で指導を受けながら力を高めることもできますが、中学受験生の方向けにアプリを使ってご自宅でトレーニングできるサービスもご用意しています。こちらは勉強の合間に短時間で取り組むことができますので、受験勉強の気分転換としてもご活用いただけます。
速く正確に読むために必要な脳機能を高める脳トレはゲーム感覚でスコアを競い合うこともできますし、学習量に応じてもらえるポイントでアバターを着せ替えたりする機能もあり、楽しみながら力を伸ばすことが可能です。
中学受験では、年々文章量は増加傾向にあります。
限られた時間内でできる限り速く文章を読み取り、問題を考えたり記述答案を作成したりする作業に時間が回せるように、夏休みを活用して速読解力を鍛えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
夏休みは学力向上が目指せる貴重な期間。準備と管理を丁寧に行い、計画的に勉強を進めましょう。
- 夏休みはまとまった時間を自由に使えるため、復習や苦手克服には絶好の機会
- まず今の弱点を正確に把握し、その強化に向けて具体的な目標を設定することが重要
- 無理のない範囲で勉強時間を設定し、毎日の予定確認と振り返りを習慣化することが成功の秘訣
夏休みは中学受験生にとって、学力向上のための貴重な期間です。まずは苦手分野を把握し、具体的な目標を設定した上で、計画を立てるようにしてください。
勉強を進める際は、毎日の予定確認と振り返りを習慣化することで、計画通りに学習を進めることができます。時には息抜きをしたり、親子でコミュニケーションを取ったりしながら、夏休み後に大きくジャンプアップできるよう有意義に過ごしましょう。