学習塾の先生にアンケート!語彙力・読解力向上のために家庭でしてほしいこととは?

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学習塾の先生にアンケート!語彙力・読解力向上のために家庭でしてほしいこととは?

国語だけでなく、算数や理科・社会でも必要となる文章読解力。
国語のテストの点が伸びない!算数の文章問題が苦手!と悩む方も多いのではないでしょうか。
語彙力や読解力を向上させるために、学習塾の先生は家庭で何をしてほしいと思っているのでしょうか?アンケートの結果を見てみましょう。

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80%以上の先生が語彙力や読解力が低下していると回答

ICT教材の企画開発・販売を行う株式会社SRJが、全国の学習塾の先生に「国語、読解力」をテーマとしたアンケート調査を実施。334の回答が得られました。

「生徒の語彙力が低下していると感じますか」という質問では、とても低下している 28.7% 、低下している 61.1% 、低下していない 9.3%、 向上している 1.7%という結果になりました。

生徒の語彙力が低下していると感じますか

また、「読解力の低い生徒が増えていると感じますか」という質問に対し、とても増えている 31.7%、 増えている 50.3% 、変わらない 17.7% 、減っている 0.3%という結果になりました。

読解力の低い生徒が増えていると感じますか

教科書の内容量や入試の文字量が増加

73.7%の先生が教科書の内容量が増えていると回答

「教科書の内容量が増えていると感じますか」という質問に対し、とても増えている 15.0% 、増えている 58.7% 変わらない 23.4% 、減っている 3.0%という結果になりました。

実際に、学習指導要領の改訂などに伴い、わかりやすさや学びやすさが重視され、教科書の大判化やページ数増加が進んでいます。

93.3%の先生が大学入試の文字数が増えていると回答

「大学入試で出題される問題で、読む分量は増えていると感じますか」という質問に対し、とても増えている 37.4%、増えている 55.9% 、変わらない 5.9% 、減っている 0.7%という結果になりました。

※わからないと回答した64件は除く

共通テストは国語以外でも文字数が増加傾向

実際に、大学入学共通テストでは、国語以外でも文字数が増加しています。

特に数学Ⅰ Aの試験では、2006年では1,479文字でしたが、大学入学共通テストが開始された2021年には7,376文字でした。2006年から徐々に文字数は増えており、15年で約5倍に増えています。

近年の試験では、知識を問う問題だけでなく、知識を活用した思考力が求められる傾向にあり、場面設定や会話文が多く出題され全体の文字数が多くなっています。

語彙力や読解力を向上させるために家庭でしてほしいこと  

「語彙力や読解力を向上させるために家庭でしてほしいこと」という質問では、複数の項目から選択式で回答を得ました。

1位「言葉の意味を調べる習慣をつける 68.3%」、2位「日頃から読書をする 63.5% 」、3位「音読をする 53.3%」、4位「家庭内でも正しい文章で会話をする 42.5%」 、5位「 演習量を増やす 23.7% 」、その他 4.8%という結果になりました。

テレビや読書、会話の中でわからない単語が出てきても、「なんとなくこんな意味かな?」と、調べずに終わっていませんか?子どもの頃から、正しい意味を調べる習慣を身につけるようにしてください。

SNSや短い動画視聴への懸念の声

2位の「日頃から読書をする」は、わかっていてもなかなか難しいですよね。特に、最近では手軽に動画を視ることができる為、暇な時間に本を読むということがなかなか無いのではないでしょうか。
動画の時間を10分でも削って、ぜひ読書の時間を取り入れてください。

SNSや短い動画視聴に対するコメント

  • 動画やSNSで文字を読む機会が著しく減っていると感じている。
  • いわゆる活字離れが顕著で、読書の体験が少なく、動画などから情報を得ていることが多く、文章を読んで想像する訓練が足りていないように感じています。
  • 興味のないテレビを見る機会が少なくなり(興味がなければスマホを見る)、語彙力や社会問題への知識が少なくなっている。

※一部抜粋

家庭での会話に関するアドバイス

4位の「家庭内でも正しい文章で会話をする」について、「単語で会話が成立してしまっている」といった心当たりはありませんか?家庭の中でも正しい文章で会話をするように気をつけたいですね。

会話に関するコメント

  • 学習や指導以前に、会話する機会を増やして、子供の会話を面白がって受け取り(聴き)、適切に反応する必要性を強く感じます。特に幼少期にそういう機会を増やすことが、他者への信頼感をつくり、会話すること自体への安心感となるようにも感じています。
  • 会話において感じるのは、きっちりとした文にせず、単語やワンフレーズで答えることが多いと感じます。そのせいもあって文を作る、文章を組み立てることが不得手な生徒も多いのではないでしょうか。
  • 塾や学校では恥ずかしくて喋ることができなくても、せめて家庭では会話の機会を設けて語彙力や表現力をつけて欲しいと伝えている

※一部抜粋

国語は長期的な学習が必要

「国語」は「英語」や「数学」に比べて学習の優先順位が低く、学習塾でも選択する生徒が少ないようです。しかし、国語で学ぶ文章読解はすべての教科で必要となります。

長期的な国語の学習についてのコメント

  • 国語力(語彙力・読解力)は、すべての学力に影響するとても重要な力ですが、短期間で身につけられるものではなく、小学生の早い段階からのトレーニングが必要だと思います。
  • 読解力は短期間では向上しないので、継続的な指導が必要である。そのためにも、生徒に飽きさせない工夫が必要だと感じている。
  • 言語学習は「使えるようになる」ことが目的なので、日々の生活の中で「使う」こと以外に伸ばす方法はないと思います。
  • 国語力は瞬発的につくものではないので、長期的に計画をして学習する必要があると思う。

※一部抜粋

語彙力や読解力を鍛えるためのおすすめ講座

小学1年生から!速く正確に読む力を鍛える「速読解・思考力講座」

日本速読解力協会の提供する「速読解・思考力講座」は年長・小学1年生から取り組むことが可能です。

音読からトレーニングを始めることができ、中学受験対策問題、理科・社会等、多彩な問題を搭載。

普段読書をしない人でも、延べ200以上の文章を搭載しているので、トレーニング内で様々な文章を読む機会をつくることができます。

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小学4年生以上!語彙・文法・論理を鍛える「新国語講座」

「新国語講座」は、国語力の中でも「読解力育成」に焦点を絞り、「語彙力」・「文法力」・「論理力」をそれぞれ鍛えます。9つのレベルから自分に合ったレベルを選んで始めることができます。

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【調査概要】
・タイトル:全国学習塾先生アンケート
・調査期間:2023年9月〜11月
・有効回答数:334
・調査方法:インターネット調査(複数の学習塾講師向けメルマガでご案内)
・調査機関:株式会社SRJ

まとめ

語彙力・読解力向上のためには言葉の意味を調べる習慣をつけることが大切

  • 80%以上の先生が子どもたちの語彙力や読解力が低下を感じている
  • 語彙力・読解力は国語以外でも必要な力
  • 国語や読解力の向上には長期的な学習が必要

学習塾で講座を選択する際には「英語」や「数学」が優先されがちです。しかし、「英語」や「数学」の大学入学共通テストは、親世代が受験していた時代とくらべて文字量が大幅に増加しています。こういった長文の問題を読み解くためにも「国語」の読解力が必要です。
教育や入試の変化を理解し、子どもたち一人ひとりにあった学習方法を、学習塾の先生にも相談しながら、適切にサポートをしてあげてください。

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