【2024年】公立高校入試・国語文字数第1位は?時間が足りない理由と対策を解説

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【2024年】公立高校入試・国語文字数第1位は?時間が足りない理由と対策を解説
皆さんは、高校入試の国語試験ではどれくらいの文字数を読む必要があるのか知っていますか?

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公立高校入試における各地域の国語の問題について、文字数を数えて調査しました。
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公立高校入試・国語文字数調査

2024年に実施された公立高校入試の国語の文字数を調査しました。

※一部複数受験日含む43都道府県データ(SRJ調べ)

全国の文字数平均

地域によって試験時間が異なりますが、平均試験時間は約50分、問題全体の文字数はおおよそ9,670文字という結果になりました。

気を付けなければいけないのは、入試では問題を読むだけでなく、解いて解答用紙に記入しなければならないということです。

入試などでは、解く時間を全体の試験時間の約6割確保する必要があると言われています。これらを踏まえると、以下のようになります。

9,670文字を20分で読み切るには、1分間に約480文字読む必要があります。

しかし、見直す時間を確保するにはさらに速く読む必要がありますね。

1分間に読める文字数ってどのくらい?

文字数調査では、1分間に480文字程度読む必要があるという結果になりました。

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公立高校入試・国語文字数ランキング

今回の調査で、文字数が一番多かったのは神奈川県、次いで東京都、埼玉県という結果になりました。ランキングは以下の通りです。
目標読書速度は、解く時間を6割確保し、さらに読み直し等を考慮して2回問題文を読むと仮定した場合の読書速度です。

ランキング 都道府県 総文字数 試験時間 目標読書速度
1 神奈川県 18,381 50 1838.1
2 東京都 14,678 50 1467.8
3 埼玉県 13,471 50 1347.1
4 沖縄県 12,745 50 1274.5
5 大分県 12,569 50 1256.9
6 茨城県 12,172 50 1217.2
7 山梨県 11,787 45 1309.7
8 兵庫県 11,636 50 1163.6
9 鹿児島県 11,088 50 1108.8
10 鳥取県 11,060 50 1106.0

1位の神奈川県は文字数がとても多く、総文字数は2位の東京に比べ4,000文字以上多い結果となりました。

国語は都道府県ごとで試験時間に大きな差はないため、総文字数と1分あたりに読む必要がある文字数のランキングはほぼ同じになっています。

文字数1位は神奈川県

今回の調査の中で文字数が一番多い神奈川県では、総文字数が約18,380文字と、平均9,670文字の倍近くの結果でした。
試験時間が50分のうち、解く時間に6割使うことを考えると、最低でも1分間に919文字読む必要があります。読み直し等を考慮すると、1分間に1838文字を読むことができるのが理想的です。

今後の高校入試への対策は?

2024年度の入試では、記述問題によって思考力と表現力を問う傾向が見られ、新潟県では120字以内で書く問題が出題されています。
一方、記号問題中心の神奈川県などでは、問題の文字数が1万字超となっています。出題形式に関わらず、時間内に問題文や設問の内容を正しくとらえ、すばやく処理する力が求められるでしょう。

【2024年度】各都道府県の分析

一部を抜粋して試験内容の分析を行いました。

北海道:7,573文字(36位)

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字・語句・文法 25点 9問
2 物語的文章 40点 9問
3 古典 14点 4問
4 資料 18点 4問

試験時間配分

[1]漢字・語句・文法、[2]物語的文章、[3]古典(漢文の書き下し文)、[4]資料問題で、構成は昨年と同じく4題構成ですが、設問数は4問減少しています。
[1]では近年出題されていなかった俳句に関する問題が出題され、[2]は古時刻の知識を用いて解く問題や、文章の内容をふまえつつ身近な例を交えて記述する問題がありました。
記述問題の配点は全体の4割ほどを占めており、必要な情報や条件を正しく読み取ったり、要点を整理して自分の考えを述べたりする練習が必要です。

神奈川県:18,381文字(1位)

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字・韻文 20点 9問
2 物語的文章 24点 6問
3 説明的文章 30点 9問
4 古典 16点 4問
5 複数資料を用いた問題 10点 2問

試験時間配分

[1] 漢字、[2]物語的文章、[3]説明的文章、[4] 古典、[5] 資料問題という5題構成は昨年度同様。[5]は資料問題ではあるが内容が刷新され、「2つの短文」「メモ」「まとめ」といった複数資料を参照して設問に答える問題に変更されましたが、全体の配点に大きな変更はありませんでした。
神奈川県は全国でもトップクラスに文字数が多いため、特に物語的文章/説明的文章ではスピーディーに本文を読み進める必要があります。
設問は[5]を除いて全て選択問題なので、選択問題を中心とした問題演習を繰り返しておくと良いでしょう。

東京都:14,678文字(2位)

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字(読み) 10点 5問
2 漢字(書き) 10点 5問
3 物語的文章 25点 5問
4 説明的文章 30点 5問
5 古典 25点 5問

試験時間配分

全体として、接続詞や指示語が指す内容に着目しながら本文の内容を正しく読み取れれば正答できる問題が多い一方、書かれていない事柄を本文から推論して選択肢を選ばなければならない問題も含まれています。文字数が多いため、すばやく的確に読む力が必要と言えます。
また、[4]の説明的文章は、問いそのものは難しくないものの、本文にやや難しい言葉や表現が含まれているため、普段から新書や新聞など、硬い表現が用いられる文章にも触れておくとよいでしょう。

愛知県:10,875文字(11位)

問題番号 内容 配点 問題数
1 説明的文章 9点 6問
2 漢字・語句 3点 3問
3 物語的文章 6点 5問
4 古典 4点 4問

試験時間配分

全体の文字数は全国平均程度ですが、試験時間は45分と少し短いです。また、配点についても満点が22点と独特な点数設定となっています。
[1]説明的文章では本文内容の理解を問う問題だけでなく、文章全体の構成や、会話文の語順整序など、文章構成に関する問題が出題されるため訓練をしておくことが必要です。
[2]では熟語や基礎語句の意味を問う問題が出題されるため、語彙力をつける学習を日頃から行うと良いでしょう。

大阪府(B問題):5,464文字(43位)

問題番号 内容 配点 問題数
1 漢字 12点 8問
2 説明的文章(随筆文) 21点 4問
3 古典 20点 4問
4 説明的文章(論説文) 19点 4問
5 作文 18点 1問

試験時間配分

問題の構成は、出題順は昨年度と異なりますが、漢字、説明的文章2題、古典、作文という4題に変更はありません。
[3]歴史的な仮名遣いの読み取りを含む設問の構成は、昨年と大きく変化はないが、記述問題の字数が30字増えています。
急いで読まなければ解き終わらないほどの文章量ではないが、記述問題が多く、適切に時間配分を考えて進める必要があるでしょう。

福岡県:8,392文字(32位)

問題番号 内容 配点 問題数
1 説明的文章 21点 11問
2 文学的文章 12点 4問
3 古典 12点 5問
4 作文 15点 1問

試験時間配分

問題の構成は、[1]説明的文章、[2]文学的文章、[3]古典、[4]作文という4題であり、例年と変更はありません。
[1][2]漢字、語彙、文法の出題バランスは昨年と変わらないが、論述問題が減り、抜き出し問題が増えたことや、説明文、論説文ともに取り組みやすい内容であったことで、平均点が大幅に下がった昨年と比べるとやさしくなったといえます。

文章量・文字数増加への対策は?

高校入試では、限られた時間で非常に多くの文章を読み進めなくてはいけません。そのためには、読む速さと同時に理解度や記憶量を維持する必要があります。

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日本速読解力協会が提供する速読解力講座は、文章を速く読めるようにするための速読トレーニングと、文章を正確に読めるようにする読解トレーニングで、内容の理解度や記憶量を損なわずに読む速度を向上させることができます。
読む時間を短縮することができれば、その分を考える時間や記述答案を作成する時間に回すことができるため、試験で非常に有利になります。

また、語彙問題や時事問題も搭載していて、速読解力を鍛えながら入試に必要な内容も学習していただけます。
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まとめ

公立高校入試の国語の文字数 全国平均は約9,670文字

  • 文字数1位は神奈川県の18,381文字!次いで東京都の14,678文字、埼玉県の13,471文字
  • 入試では単純に問題を読むだけでなく、解いて解答用紙に記入する時間も必要
  • 入試対策には、理解度を伴いながら読む速さを向上する必要がある

国語は、他の教科に比べて成績に変化がでるのに時間がかかる教科です。早い時期から取り組んで、効率よく学習できるようになりましょう。

一般社団法人 日本速読解力協会 理事 安田 哲

監修

安田 哲

一般社団法人 日本速読解力協会 理事

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

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