速く正確に読むためのコツとは?必要な力やメリットをご紹介

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約4分で読めたら読書速度1200文字/分。

速く正確に読むためのコツとは?必要な力やメリットをご紹介

子どもの読む速さについて、速く読めているけれど内容を理解できていなかったり、内容を理解しようとすると読むのが遅かったりしませんか?「速く正確に読む」ことは本当にできるのかと思っている方も多いと思います。

「速く正確に読む」ことに特別な力は必要なく、誰でも持っている能力を最大限に活かすことで発揮できるのです。

今回は、速く正確に読めることのメリットや、習得するために必要な力をご紹介します。

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速く正確に読むとは?

速く正確に読む=速読

読むスピードが「速い」のに「正確に」読むことはできているの?と疑問に持つ方もいるでしょう。

「速く正確に読む」ことを「速読」と呼びますが、“速読”と聞くと、「難しそう」「自分にはできない」「一部の人だけができる、特別な能力」だと思いがちです。

しかし、速読力はトレーニングをすることで誰でも伸ばすことができる能力です。

日本速読解力協会の速読トレーニングでは、脳に備わっている「可塑性」「汎化作用」という2つの特性を活用し、速読の力を伸ばします。

可塑性

汎化作用

速読で内容を理解して読めているの?

そもそも読む速度には個人差があります。

「普段通り理解しながら」読んで、1分間に300文字で読める人もいれば、1200文字の人もいます。

1分間に300文字で読む人にとって、1200文字で読める人は「速読している」のでしょうか?

1200文字で読んでいる人にとってはそういった意識はなく、普段通り内容を理解しながら読んでいることに変わりありません。

この違いは読書経験や語彙力の差なども考えられますが、実はもっと根本的なところが影響している場合があります。それは「読み方」です。 「目の動き」や「文字認識速度」は人によってそれぞれ異なっていますので、それが読書速度(読む速さのこと)の差となっていることがあります。

速く正確に読めるメリット

国語以外の教科でも役に立つ

速読トレーニングをすると、国語はもちろん、国語以外の他の教科にも役に立ちます。

英語、理科や社会など覚えなければならない単語(用語)など、学校の勉強では覚えることがたくさんあります。読む速度が速くなった分、単語帳や教科書を読み返す回数を増やすことができるので、記憶の定着がしやすくなります。

処理速度が高まり学習効率がよくなる

脳の処理速度そのものが高まりますので、授業中に先生の話が聞きとりやすくなる、といった変化を感じられる人もいます。これまでは先生の話を聞きとることで精一杯でも、トレーニングをすることで先生の話を聞きながら何かができる余裕が生まれます。そうなることで、話の背景や意図を考えながら聞いたり、ノートを書きながら内容をまとめて理解を深めたりすることができるようになります。

処理能力が高くなることで、学習効率そのものが良くなります。

読書への苦手意識が軽減

もともと読書が好きであればよいですが、そうではない人はどうしたらよいのでしょうか。実はそんな人ほど速読トレーニングがおすすめです。
文章を読むことが苦手な人も、日本速読解力協会の速読トレーニングすることで「以前より読むことに抵抗がなくなった」「文章が読みやすくなった」といったうれしいお声もいただいています。

速く読めるということは、読書時間が短いとしても同じ時間でこれまでよりもたくさん読めるということです。限られた時間で、少しでも読む経験を増やすことができます。

速く読む事ができたら、予習や復習にも役立てることができそうですね。

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速く正確に読むために必要な力

文章を速く正確に読むためには、読解基礎力と言われる「全体把握力」「理解力」「思考能力」「検索力」「記憶力」の5つの力が重要となります。

この5つの力をバランスよく高めることで、読解のための基礎的な力を養います。

それぞれの力について解説していきます。

読解基礎力①全体把握力

「全体把握力」とは、文章を読み解く力(読解力)の土台となる文章の構成や展開を正確にとらえる力であり、文章を読み解く上で必要になる能力です。

文章がどのような構造になっているか、どのような内容が書かれているのかを把握することで、内容を理解できるようになります。文章全体の構成を捉えることができると、必要な情報に着目して要約したり、複数の情報を整理しながら適切な情報を得たりして、内容を解釈することができます。

これらは、文章を読んで理解したことなどに基づいて、自分の考えを確かなものにしたり、考えを広げたりできる土台となります。

テストや入試などでは、時間内に長文を読み、その要約・要旨を理解して時間内に解答するために「全体把握力」は必須と言えるでしょう。

読解基礎力②理解力

「理解力」とは、文章を読み解く力(読解力)の土台となる文章の要約を理解する力であり、文章を読み解く上で必要になる能力です。

全国学力・学習状況調査などの結果によると、小学校では文章における主語を捉えることや文の構成を理解したり表現の工夫を捉えたりすること、目的に応じて文章を要約したり、複数の情報を関連付けて理解を深めたりすることなどに課題があることが明らかになっています。

テストや入試などで問題を解くには、文章内にある情報の関係について、「理解力」がなければ、正しい答えを導き出すことはできません。すばやく情報を認識し、判断する能力を鍛えることで、何度も同じ文章を読み返すことなく落ち着いて取り組むことができるようになりますよ。

読解基礎力③思考能力

「思考能力」とは、場面の様子や人物像を思い描く力のことを言い、速読に関連する脳力の一つです。

思考能力を養うには、語彙力・空間把握力や図形認識力などが必要となります。

読解基礎力④検索力

「検索力」とは、語句などを検索する力であり、文章を読み解く上で必要になる能力です。

テストや入試などで、設問を読み、複数の資料から必要な語句を見つけ、解答するために「検索力」は必須と言えるでしょう。

読解基礎力⑤記憶力

「記憶力」とは、『物事を忘れずに覚えている、または覚えておく』力(広辞苑)とあります。文章を読み解く力(読解力)の土台としては、短期記憶力が重要とされています。文章の内容や言葉を短期的に記憶して登場人物の関係性や情景などを理解したり、文章内容の価値・判断・評価したりするうえで必要になる能力です。

記憶力を鍛えると、一度記憶した内容を、それまでの経験などと紐づけて考えることもできるようになります。テストや入試などで問題を解く際にも、以前に解いた問題と似たような問題が出た際に、効率よく正しい答えを導き出すことができるようになるので、学習には欠かせない能力と言えるでしょう。

速く読むだけでなく、内容を正しく理解するためにも、様々な能力を鍛えよう!

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日常生活で意識すると良いこと

速読力は特別な能力ではなく、誰でも楽しく自身の能力を高めることができます。参考までに、普段の生活の中に簡単に取り入れられる速読トレーニング法をご紹介しましょう。

指や新聞を使った眼筋トレーニング

例えば、人差し指を立てて両手を前へ突き出し、顔が動かないようにして、目だけを動かして左右の爪先を交互に見ることで眼筋トレーニングができます。
また、1行の文字数が少ない新聞は、文章をかたまりで見て理解していく視読※の練習に好都合です。

視読・・・頭の中で音声変換せず『文章をかたまりで瞬間的に視野に入れ同時に内容を理解する速読の読み方

眼筋トレーニング

普段から本を読んで語彙力・理解力を高める

本を全く読まない人と、たくさん読む人では、たくさん読む人の方が読むスピードが速いことが多いです。読書によって語彙力や理解力を日頃から高めることが読むスピードを高めるために有効だと言えます。

読書は小説だけに限らず、新聞でニュースを読むことや、雑誌などで活字を読むことも様々なジャンルの語彙を増やすきっかけになります。 このように日常生活に取り入れられる簡単な速読トレーニングを実践し、ふだんの生活や学習の場面で文章を読む際、少しでも「速く読む」ということを意識するだけでも読書スピードはいままでと変わってきます。

短い時間でも、ぜひ本を手にとって読書を楽しんでください。

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速読解力講座のご紹介

速読解力講座の速読トレーニングは、内容理解度や記憶量は維持したまま文章を味わう要素も損なわずに読書速度が向上します。

文章だけではなくゲーム感覚でできる短期記憶力などの脳力トレーニングもあり、楽しみながら効果的に力を身につけることができます。

速読解力講座トレーニング(一例)

まとめ

脳の特性を活かせれば誰でも速く正確に読むことはできる

  • 速く正確に読めると処理速度が向上して、国語以外の科目でも役立つ
  • 速く正確に読むためには基礎学力を上げることが必要である
  • 日常生活で意識して眼筋を動かしたり読書量を増やしたりすると尚良い

速く正確に読む「速読力」は、誰にでも身につけられる力です。速く正確に読めるようになると、文章に対する苦手意識もなくなり、読書量も自ずと増えていくでしょう。さらに処理速度が上がることで、成績向上などにも影響していきます。
自分の読むスピードや正確さに自信がない方は、速読解力講座をぜひ体験して効果を実感してみてくださいね。

一般社団法人 日本速読解力協会 理事 安田 哲

監修

安田 哲

一般社団法人 日本速読解力協会 理事

約20年間にわたり首都圏大手進学塾の現場の最前線で、英語・国語を中心に指導。中学受験・高校受験の難関校への多数の合格者を輩出。科目の内容の指導だけでなく、家庭学習管理、生徒・保護者の皆様との面談を多数行う。大学院では言語学を専攻、英語以外の言語に関しても幅広い知識を有する。

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