中学受験の準備はいつから?間に合う時期と必要な準備

この記事は4156文字です。
約3分で読めたら読書速度1200文字/分。

中学受験をされる方の人数は年々増加傾向にあります。
将来的に中学受験をすることを考えているけどいつから準備を始めたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では中学受験に向けていつから準備を始めたら良いのか、時期ごとに意識した方が良いことなどを解説します。

ライター

佐藤壮夫

株式会社SRJ 新規事業開発室
中学受験専門 速読解力講座運営

東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(International Studies)。大学在学中に教育事業会社を創業し、学習塾事業・公教育事業・オンライン学習事業などを推進。これまで小中高生を中心に、幼児から社会人まで全ての世代へ理解力や思考力を高める教育プログラムを提供してきた。

中学受験本番で「時間が足りない!」はもったいない。

中学受験専門 速読解力講座

詳しくはこちら

近年の中学受験の動向

中学受験人口が増えている

2024年の首都圏の私立・国立中学受験者数は52,400名になりました。
これは9年続きで増加し過去最多となった2023年の52,600名よりわずか200名少ない数で、過去2番目に多い受験者数になります。
受験率でみるとその数は18.12%で、過去最高となりました。

参考:2024年私立・国立中学受験者数は52,400名と微減ながら受験率は過去最高の18.12%に!《首都圏》|首都圏模試センター

このように中学受験熱はこれまで以上に過熱してきており、しばらくは弱まる気配がありません。

中学受験で問われる力の変化

入試問題は各学校からのメッセージであるとも言われるくらい、近年はその特色に従って入試問題に工夫を凝らすようになってきています。
それにあわせて中学受験に向けた勉強内容もひと昔前と比べて大きく様変わりしてきています。
単純に知識を問うだけの設問が少なくなり、知っている知識を基にじっくり考えて答えを導く設問が増えてきています。
つまり、知識があるのは前提条件で、その知識の運用能力や処理能力、表現力が求められるようになってきていると言うことができます。

また、知識と思考力を問う問題を出題するために、その導入となる問題文の文章量も年々増加傾向にあります。
例えば国語では、総文字数は平均で約10,000文字、学校によっては15,000文字を超える量のところもあるほどで、この分量を読んだ上で時間内に設問に答えなくてはなりません。
速く正確に読み解く力が必要です。

中学受験の準備を始める最適なタイミング

中学受験の準備は小学3年生から始めると良い

塾によっても異なりますが、小学3年生の夏以降から、遅くとも新小学4年生(小学3年生の2月)から本格的な受験カリキュラムが始まります。
ご自身も中学受験をご経験された保護者さまの中には、小学5年生から本格化されるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、近年の入試問題の多様化に伴って、全体的な学習量は増えており、それに伴って中学受験カリキュラムの開始時期も前倒しになってきています。

もちろん、カリキュラムの最初の方から難しいことがたくさん出てくるわけではありませんが、油断することはできません。
毎週のカリキュラムで次々に新しいことが出てきますので、それらをしっかりとこなし、積み残しが起きない状況を作っておくことは必要不可欠です。
その意味では小学校低学年での土台作りは極めて重要と言えるでしょう。

小学校低学年からできる準備

小学1年生、2年生の低学年の時期は、たくさんのことを経験するということが非常に大切になります。
中学受験のカリキュラムが本格化すると、学校で学習するよりもはるかに多くの内容を頭の中に入れなくてはいけません。
低学年のうちにそれらを受け入れられる土台を用意しておくことができると、その後の学習がスムーズになります。
様々な体験を通して経験値を増やしていくことでこの土台を大きくすることができます。
低学年の時期は是非いろいろなことに触れる機会を積極的に作ってあげましょう。

小学6年生から準備を始めるのは遅い?

前述しました通り、多くの塾では小学3年生の夏ごろから受験カリキュラムが本格的にスタートし、5年生が終わるタイミング、遅くとも6年生の夏休み前までには、ひと通りの学習が終了します。
6年生ではこれまで学習したことを繰り返し演習してその内容を定着させ、夏以降は徐々に入試問題に挑戦し、過去問に取り組み始めます。

6年生から受験勉強を始めるとなると4年生・5年生で学習する2年分の内容に追いつくところからスタートしなくてはならないため、かなり厳しい状況と言わざるを得ません。
それでも中学受験に挑むのであれば、まずは他の習い事や遊びのことは考えずに、しっかりと1年間勉強に時間を費やす覚悟を持つことが必要です。

中学受験本番で「時間が足りない!」はもったいない。

中学受験専門 速読解力講座

詳しくはこちら

中学受験に必要な準備

小学校低学年からの基礎学習

中学受験に向けて小学校低学年の間に基礎学力をつけておくことはとても大切です。
まずはお子さまの学年で学習する範囲の「計算」と「漢字の読み書き」はきちんとできるようにしておきましょう。
また、それらの習得を通じて毎日の学習習慣を確立することも重要になります。
学習習慣が身についていれば、受験勉強が本格化してくる時もスムーズに学習を進めることができます。

それに加えて可能であれば、「文章読解力」も養っておけると望ましいです。
文章を正確に理解する力は、国語はもちろん、その他すべての教科の土台となるからです。
読書を通じて様々な知識や価値観に触れることは、想像力や思考力を豊かにすることにも繋がります。

中学受験情報を集める

志望校をどこにするのか、併願校や受験日の組み合わせはどうするのか、そもそも受験勉強をいつから始め、塾はどこに通うのか等、中学受験は選択の連続とも言えます。
納得のできる決断をしていくために情報収集は欠かせません。

特に志望校については、中学受験のゴールの一つであり、これから通う学校を選ぶ大切なプロセスになりますので、様々な角度から情報を集め、お子さまに合う学校を選択するようにしましょう。
また、志望校によって、入試傾向や試験科目、必要な学力レベルも変わってきますので、正しい情報を把握することは、その後の学習計画にも影響を与えます。

直前で慌てることがないように、余裕を持って情報収集を行ってください。

学習計画の作成と進め方

志望校に合格するためには、スケジュールを立てながら学習を進めることが重要です。
まずは年間のスケジュールを決め、その後に月ごと、週ごと、曜日ごとというように段階を踏んで予定に落とし込んでいきましょう。
このとき、保護者が一方的に決めてしまうと、お子さまは勉強をやらされている感覚になりかねません。学習計画を立てる際はお子さまと相談して決めるようにしてください。

作成した後は、そのスケジュールや進捗をご家族で共有するようにし、定期的に振り返る時間を設けるようにすると、計画通りに進んでいるかどうか確認できるとともに、学習の習慣化ややる気向上にも繋がります。

中学受験に役立つ!速読解力講座

中学受験では、限られた時間で非常に多くの文章を読み進めなくてはいけません。
日本速読解力協会が提供する速読解力講座は、文章を速く読めるようにするための速読トレーニングと、文章を正確に読めるようにする読解トレーニングで、内容の理解度や記憶量を損なわずに読む速度を向上させることができます。
読む時間を短縮することができれば、その分を考える時間や記述答案を作成する時間に回すことができるため、試験で非常に有利になります。

また、語彙問題や時事問題も搭載していて、速読解力を鍛えながら受験に必要な内容も学習していただけます。
全国5500の教室の中から近くの教室をお探しいただくか、オンラインでも受講可能ですので、来るべき中学受験に向けた準備として、是非一度受講をご検討ください。

まとめ

中学受験は小学3年生から本格化できる準備を進めていきましょう

  • 中学受験は年々競争が激しくなり、問題量と難易度は上がってきている
  • 小学3年生の夏ごろから受験カリキュラムが本格化するため、それ以降の動き出しでは遅れをとる
  • 中学受験に向けた情報収集を行いながら、計画的に準備を進めることが大切

受験勉強が本格化する前の低学年の間は、「計算」「漢字」「読解」といった基礎学習を通じて学習習慣を確立させつつも、勉強以外の様々な経験を積ませてあげてください。受験勉強が本格化する小学3年生の夏以降は、カリキュラムに沿って学習を積み重ねていくことが鍵になります。
情報収集を行いながら、目標に向けて学習計画をしっかりと立てて受験勉強を進めていきましょう。

中学受験本番で「時間が足りない!」はもったいない。

中学受験専門 速読解力講座

詳しくはこちら

関連キーワード

人気記事

時代とともに変化する!?日本の語彙
2023.02.17

言葉の意味は時代と共に変わる!?変化する日本語の語彙

日常の会話やコミュニケーションなど、生活に欠かせないのが母国語の『語彙』です。文化庁が実施した調査の結果でも、言葉やその使い方について、社会全般の課題があると答えた人が8割を超える結果となっています。

2024年度実施 大学入学共通テスト国語 文字数を分析
2024.01.22

2024年度実施 大学入学共通テスト 国語 文字数を分析 難易度は昨年並みだが、速読解力は必須

2024年1月13日、2024年度(令和6年度)大学入学共通テスト1日目が行われました。国語は、文字数は昨年並み。出題意図が明確な問題が多かったものの、昨年同様複数の文章や資料を関連付けて答えを導き出す力が必要です。

2024年度実施 大学入学共通テスト英語 語数を分析
2024.01.22

2024年度実施 大学入学共通テスト 英語 語数を分析 3年連続6,000語超え

2024年度(令和6年度)大学入学共通テストが、2024年1月13、14日に行われました。リーディングでは3年連続で6,000語を超え、リスニングでは今年も非英語母語者が混じる会話や、グラフや図と絡めた出題がみられ、総合的な英語力が問われました。