速読はうさんくさい?速読解力協会の速読とは

この記事は3949文字です。
約3分で読めたら読書速度1200文字/分。

「速読」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

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仕事や勉強に役立つと思う、便利だ、といったイメージもあれば、本当に速く読めるようになるの?速度が上がると理解度が下がるのではないか、うさんくさい…といったイメージもあるかも知れません。

そもそも速読とはどういった読み方なのか、どういったトレーニングをするのかをご紹介します。

速読は一瞬で本が読める力なの?

速読は「飛ばし読み」をするのか

速読の読み方は速読法によって異なります。

限られた時間でビジネス書などを大量に読みたい人などにとって、書籍の目次などで概要を掴み、全体像をイメージしたうえで必要な箇所や用語・図表のみをピックアップして読む速読法があります。そういった読み方は「飛ばし読み」といわれることがあります。
一言一句を読まず、書籍に書かれている内容すべてを理解しなくても良いという前提であり有効な読み方の一つです。なので、一概にこういった速読法がだめだ、うさんくさい、といったことではないでしょう。

他にも、限られた時間で全体の流れをつかむことを目的として文章を一文字ずつ追わずにざっと視野に入れる読み方である「斜め読み」。試験や読書に活かすために普段看板や人名・地名を見るときに文字を固まりで見て意味を理解する文字認識の特性を活かし、その範囲や視点移動の速度、脳の情報処理速度を向上させて理解を伴いながら速く読む読み方などがあります。

このように目的や活用シーンに応じた速読法がいくつもあり、飛ばし読みの読み方だけが速読であるということではありませんし、単に一瞬で本を読める技術のことでもないのです。

ものすごく速く読めるようになる?

速読法によって目指す速度は違う

速読法の違いにより、文章の理解度、目標とする速度も様々です。
必要な箇所や用語・図表をピックアップし、それ以外のところは読み飛ばすといった速読法は、一言一句読んでいるわけではないので理解度といった部分では少し浅くなります。ですが今までの数十倍や数百倍、中には数万倍といった高い速度を目標とすることができます。

速読といえば、読む速さが1分間に何万文字になるのではといったイメージを持つ人もいらっしゃるかも知れませんが、すべての速読法がそういった速度を目指せるということではありません。
内容の理解度を重視して速度を高める速読法の場合は、目標とする読書速度は数百倍などではなく数倍ほどになることもあります。

2倍・3倍でも速いと言えるのか

内容の理解度を重視して速度を高める速読法の場合、目標数値が今までの2倍・3倍の速度であったとしても、試験であれば50分の試験時間のうち30分かかっていたところ理解度を落とさず15分や10分で読み終わることができる、ということになります。

試験時間の使い方が大きく変わり、難しい問題を考える時間や見直しに充てることができます。
日々の学習はもちろん、特に合否を分ける入試などで非常に役立つ力になるでしょう。

読書が好きな人にとっても非常に有効です。
速度は上がっても理解度は変わりませんのでストーリーがわからなくなることもありませんし、これまでどおり感情移入もできます。
同じ時間で2冊・3冊の本が読めるようになるとすれば、ますます読書時間が充実するでしょう。

今よりも速く読みたいという人は、どういったシーンで活かしたいかを明確にしてみましょう。
色々な速読がある中、ご自身の目的に合った速読法のトレーニングを行うことをおすすめします。

速読で内容が理解できるのか

本当に理解しながら読んでいる?

そもそも読む速度には個人差があります。

「普段どおり理解しながら」読んで、1分間に300文字の読める人もいれば1200文字の人もいます。
1分間に300文字で読む人にとって、1200文字読める人は「速読している」のでしょうか?
1200文字で読んでいる人にとってはそういった意識はなく、普段どおり内容を理解しながら読んでいることに変わりありません。

この違いは読書経験や語彙力の差なども考えられますが、実はもっと根本的なところが影響している場合があります。それは「読み方」です。
「目の動き」や「文字認識速度」は人によってそれぞれ異なっていますので、その違いが読書速度の差となっていることがあります。

そもそも「読む」とはどういうこと?

読むときの目の動きは「停留(視点の停止)」と「サッカード(視点の移動)」を繰り返すとされています。そして目の動きが不安定である場合などは「逆行(読み返し)」も行っています。
また「読む」行為そのものは、文字記号を視覚的に認識したうえで音に変換し、さらにその音を言葉として理解して言葉と言葉をつなげて文章として理解する一連の変換作業となります。

つまり、読み返しをほとんどせず視点移動が少なくかつスムーズで、目の動きを止める時間が短い、といった読み方をすると、必然的に読む速度は速くなります。

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さらに文字記号の認識が速く、文章として理解する変換作業の処理能力が高ければ、理解しながら速く読める、ということになります。

読書経験や語彙力を育てることはもちろん重要であり、読書速度向上に良い影響があることでしょう。しかし実際は同じような読書経験で語彙力を持っていても速度の差は生じていて、このような目の動きや認識力などの処理速度といった「読み方」も読む速度に深く影響しています。
普段どおりの理解度を維持した状態で速く読めるようにするには、この「読み方」を変えることが重要となります。

速読を身につけるまでにかかる時間

理解度を維持した状態で速度を向上させる読み方を習得・定着させるにはそれなりの期間が必要です。
個人差がありますが、日本速読解力協会の速読法を身につける場合はトレーニングを1年以上、可能であれば2年以上続けていただくことを推奨しています。

読み方そのものを変えるということは、これまでの習慣を変えるということになりますので、数日や数週間で習慣を変えることは難しいことでしょう。
読書のときの目の動きなどは年齢が高くなるほどクセづいているものです。

そして処理速度を向上させる、といったことも自助努力ではなかなか困難といったことがあります。
元野球選手のイチロー選手が小さい頃から街を走る車のナンバーを一瞬で読み取ることを実践していたことは有名なエピソードですが、独自で日常的に意識高くトレーニングをするのは容易ではないでしょう。

速読の読み方を身につけるには、専用のトレーニングを行うのが最も効果的で効率がよいといえます。

日本速読解力協会の速読解力講座

これまで のべ22万人以上の人が日本速読解力協会の速読トレーニングを受けています。
参考に、実際にトレーニングした小学高学年の受講者の伸びを見てみましょう。

文章を読んだ後に確認問題を行い、正確に解答できたときの読書速度を反映したグラフです。
内容を理解した状態で速く読めるようになっていることが分かります。

日本速読解力協会の速読トレーニングでは、理解しながら速く読む「読み方」を効果的に習得できます。
実際のトレーニング内容をご紹介しましょう。

読書速度計測

現在発揮できる読書速度を確認します。

眼筋・視幅・識幅・識力トレーニング

速読に必要な目の動きや視点移動の仕方、文字認識の速度を鍛えます。

速解力チェック低学年:基本問題

どれほど理解して読めているかを客観的に判定し、理解度とスピードのバランスを確認・向上させます。

解くトレ:基礎的読解力

速度を発揮するため読解の基礎を養います。

語彙

語彙力を増やします。

脳力・あてっこ・いそいで・つみき

素早く内容を理解できるように短期記憶力・検索力・思考能力などの能力を鍛えます。

速読認定・速解力検定演習・速読解力検定

実力確認のため、毎月1回「成果確認」テストを行います。
読書速度の伸びや各能力の向上度、読解技能のバランスや傾向などを確認し、その後のトレーニングや学習姿勢などに活かします。

まとめ

  • 飛ばし読み=速読ではなく、速読の読み方は色々ある
  • 理解度を維持しながら速く読める「読み方」がある
  • 「読み方」はトレーニングで変えることができる

速読法は様々です。活用シーンや目的に合った速読法を選びましょう。
理解度を維持しながら速度を向上させる読み方は、日本速読解力協会の速読トレーニングで身につけることができます。

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